最後の審判 (詰将棋)

詰将棋問題『最後の審判』の概要

『最後の審判』は、縫田光司が1997年1月に『詰将棋パラダイス』にて発表した詰将棋の問題です。この作品は、将棋のルールにおける連続王手による千日手や打ち歩詰めをテーマにしていますが、その構成がルールの不備を突くものであるため、その解釈については現在も議論が続いています。

問題図の公開

この詰将棋の問題図は、作者の縫田光司自身のホームページにて公開されています。興味がある方はそちらをチェックすることができ、具体的な手順や局面を詳細に理解することが可能です。

双玉詰[[将棋]]の特性

『最後の審判』は双玉詰[[将棋]]で、同じ手順を繰り返す過程において特有の逆王手の動きが見られます。特に、先手の角が王手をかけた際に、後手は歩兵を合駒して逆に王手をかけるという進行が存在し、この状態では先手は対処が難しくなります。もし、歩以外の駒で合駒したり、玉を動かすと直ちに詰むという状況になります。この繰り返しの中で、最初の二回は歩を合駒することができますが、三回目において歩を打つ形になると、先手はこの歩を取らざるを得ません。これにより、連続王手から千日手となり、先手は反則負けとなります。実質的には、反則を避けるために選択肢がなく、先手玉が詰むことになります。

議論と評価

本作の発表以降、詰将棋ファンの間ではこの問題に関する議論が起こりました。主に取り上げられたのは、「禁手によって王手を逃れることが詰みと見なされるのか」、「打ち歩によって生まれる状態は打ち歩詰めとみなすべきか」といった点です。これらの解釈について明確な結論が出ておらず、そのために本作の成立、つまり駒の動きによって詰むかということが評価されていません。

また、プロの棋士の間でも本作は注目を集めた時期があります。特に、伊奈川愛菓が本作に感銘を受けた際には、日本将棋連盟モバイルがその様子を取り上げ、多くのプロ棋士がその理屈について検討を始めるきっかけとなりました。

現在の状況

このように詰将棋の問題としては非常に興味深いものですが、実際の対局では「王手」ではなく、「必至」の手をかけることで先手は勝つことが可能です。将棋の公式規約においても、このような状況に対する明確な記載はないため、将棋界の判断としては「解釈が定まるまで本作の成立は決定できない」というのが現状です。2020年現在でも、この問題への新たなルール制定を求める声が多く上がっているものの、特に目立った変化は見られないままでいます。

関連情報

この詰将棋は、関連項目として詰将棋や、打ち歩詰め、千日手などが挙げられます。また、漫画『りゅうおうのおしごと!』の第5巻においては、この作品の条件を満たす局面が描かれ、千日手として処理された出来事が展開されるなど、様々な交流を持っています。

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