王手

王手（チェック）詳解：将棋、チェス、そしてその他のボードゲーム

はじめに

王手（チェスではチェック）とは、チャトランガを起源とするボードゲームにおいて、相手の最重要駒（将棋の玉将、チェスのキングなど）を自駒の利き筋に置くことで攻撃を仕掛ける指し手です。これは、次の手番で相手の王を詰ませる脅迫とも捉えることができます。王手された側は、その脅威を解消する手を必ず指さなければなりません。解消できない場合、詰み（チェスではチェックメイト）となり、敗北となります。本稿では、将棋とチェスを中心に、王手のルール、解消方法、戦略、そして特殊な王手について解説します。

王手の基本

王手は強制手です。王手された側は、次の手番で必ず以下のいずれかの方法で王手状態を解消しなければなりません。

王将（キング）を逃がす: 王将を相手の駒の利きの届かない安全なマスに移動させます。
合駒（防御）: 相手の攻撃駒の利きを遮るように、自駒を配置します。チェスでは、キングを守るように自駒を配置することになります。
攻撃駒を取る: 王手をかけている相手の駒を自駒で取ります。これが最も効果的な解消方法となることが多いです。

上記いずれの方法でも解消できない場合、詰みとなり、その時点で敗北となります。詰みは、王手状態から脱出できる手が一切ない状態を指します。王手をかけた側、された側のどちらかが投了することで対局が終了する場合もあります。

将棋における王手の詳細

将棋では、王手に関するいくつかの特殊な状況や戦略があります。

空き王手: 自駒を動かすことで、それまで隠れていた別の駒による王手を成立させる技です。
両王手: 2枚以上の駒で同時に王手を掛ける状態です。合駒はできず、王将を動かすか、王手している駒を王将自身で取るしかありません。
逆王手: 王手からの防御と同時に、相手に王手を返す技です。
王手○取り: 王手を掛けつつ、別の敵駒も同時に取れる状況です。「王手飛車取り」などが代表例です。

終盤においては、王手は強力な攻撃手段となりますが、安易な王手は敵玉の逃亡を許し、逆に不利となる場合もあります。敵玉を包囲し、必至に追い込む戦略が重要になります。

チェスにおける王手の詳細

チェスでも、将棋と同様の基本ルールに加え、いくつかの特殊な王手があります。

ディスカバード・チェック: 自分の駒を動かすことで、別の駒による王手を現出させる技で、将棋の空き王手に相当します。
ダブル・チェック: 2つの駒で同時に王手を掛ける状態。将棋の両王手に相当し、キングを動かすしか対処法がありません。
クロス・チェック: 王手を防御しながら、同時に相手にも王手を掛ける技で、将棋の逆王手に相当します。

その他のチャトランガ系ゲーム

中国将棋（象棋）、韓国将棋（チャンギ）、タイ将棋（マークルック）など、他のチャトランガ系ゲームでも王手の概念は存在します。基本的なルールは将棋やチェスと類似していますが、それぞれのゲーム特有の駒の性質により、王手の種類や解消方法に違いが生じます。例えば、中国将棋や韓国将棋では、特定の駒は特定の条件下でしか王手をかけられないなど、独特のルールが存在します。

結論

王手は、将棋やチェスといったボードゲームにおける主要な攻撃手段であり、その理解はゲームの勝敗を左右します。基本的なルールを理解した上で、特殊な王手のテクニックを習得することで、より高度な戦略を立てることが可能になります。それぞれのゲームにおける駒の特性を理解し、状況に応じた適切な対応を行うことが重要です。

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