最果てが見たい

「最果てが見たい」（さいはてがみたい）は、演歌歌手・石川さゆりが2014年4月23日にリリースしたアルバム『X -Cross II-』に収録された楽曲です。作詞作曲はシンガーソングライターの椎名林檎が担当しました。この曲は、石川さゆりの楽曲でありながら、椎名林檎の個性が色濃く反映された作品として注目を集めました。

楽曲の背景

石川さゆりは、この曲に先駆けて、2014年4月2日にシングル「暗夜の心中立て」とそのカップリング曲「名うての泥棒猫」をリリースしており、こちらも椎名林檎がプロデュースを担当しています。この流れの中で、「最果てが見たい」は、椎名林檎が作詞作曲、ピアニストの林正樹が編曲を手がけた楽曲として発表されました。また、江崎グリコの「チーザ」のCMソングにも採用され、幅広い層に知られるようになりました。

椎名林檎によるセルフカバー

この楽曲の特筆すべき点は、作者である椎名林檎自身がセルフカバーしていることです。2014年11月から12月にかけて開催されたアリーナツアー「椎名林檎 林檎博'14 ―年女の逆襲―」で初披露され、その模様はライブビデオ『(生)林檎博'14 ―年女の逆襲―』にも収録されました。さらに、2015年5月には、アニメ映画『百日紅 ～Miss HOKUSAI～』の主題歌として、新録のセルフカバーバージョンが採用されました。これは椎名林檎にとって初のアニメ主題歌であり、映画主題歌としては2007年の『さくらん』以来、8年ぶり2度目の担当となりました。この起用は、映画の原作漫画『百日紅』の作者である杉浦日向子が椎名林檎の楽曲を愛聴していたことがきっかけで、原恵一監督が椎名林檎に依頼したことから実現しました。

このセルフカバーバージョンは、椎名林檎自身が編曲も担当しており、石川さゆりのオリジナルバージョンとは異なる新たな魅力が加わりました。さらに、2017年12月にリリースされたセルフカバーアルバム「逆輸入 ～航空局～」には、この曲の英語詞バージョンが収録されました。このバージョンでは、編曲を朝川朋之が担当し、ハープを基調としたアレンジが施されています。

演奏

この楽曲のレコーディングには、以下のミュージシャンが参加しています。

アコーディオン：佐藤芳明
ピアノ：林正樹
* ケーナ：岩川光

「最果てが見たい」は、石川さゆりの歌唱力と椎名林檎の独特な音楽性が融合した楽曲であり、オリジナルバージョンとセルフカバーバージョン、さらに英語詞バージョンと、多様なアレンジで楽しめる点が魅力です。それぞれのバージョンが、楽曲の持つ世界観を異なる角度から表現しており、聴くたびに新たな発見があるでしょう。

もう一度検索