月ノ木貝塚

月ノ木貝塚

月ノ木貝塚は、千葉県千葉市中央区仁戸名町に位置する、縄文時代中期から後期にかけての貝塚を伴う環状集落の遺跡です。1978年に国の史跡として指定され、2006年には一部範囲が追加指定されました。

概要

月ノ木貝塚は、都川の支流に面した標高25メートルの舌状台地の末端に位置しています。1951年、『千葉市史』編纂事業に伴い発掘調査が実施されました。

当初、本貝塚は北方に開口する馬蹄形貝塚と考えられていましたが、1991年の調査で東側にも開口していることが判明しました。貝塚は東西150メートル、南北200メートルの範囲に及び、全体が土手状に盛り上がっています。南側が最も高く、東側は低くなっています。

発掘調査の成果

1951年の調査では、貝塚の開口部の東端で約10平方メートルが発掘され、縄文時代中期の竪穴建物跡4棟が確認されました。

1号建物：長径6.7メートル、短径4.7メートルの楕円形で、少なくとも2回の改築が確認されています。
2号建物：長径5.8メートル、短径4.7メートルの円に近い楕円形で、3号建物を切断し、4号建物によって切断されています。

これらの建物の重複状況から、長期にわたり安定した集落が営まれていたことが示唆されます。

出土遺物

出土遺物には、土器、石器類のほか、猪牙製斧、土錘、骨鍬、貝輪など種類が豊富です。特に、アワビを嵌め込んだ栓状耳飾りは他に類を見ない貴重なものです。

貝層を構成する貝類は、ハマグリ、キサゴ、アサリ、シオフキなど浅瀬に生息するものが多く、鳥獣やクジラの骨も含まれていました。ハマグリの貝殻はほとんどが小型で、大きなものが獲り尽くされていた状況がうかがえます。

月ノ木貝塚は、当時の人々の生活や文化を知る上で非常に重要な遺跡です。

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