月夜野大橋

月夜野大橋：革新的な工法と利根川の景観美

月夜野大橋は、群馬県利根郡みなかみ町の利根川に架かる、国道17号月夜野バイパスの一部を担う橋梁です。橋長は431.9メートル。この橋は、日本で初めてP&Z工法が採用されたことで知られています。

概要

月夜野大橋は、単純ポストテンションPC箱桁3連と4径間PC連続有ヒンジラーメン箱桁橋という形式を採用しています。その支間割は、3×40.6メートル + (68.4メートル + 2×84.5メートル + 68.4メートル)となっています。橋の幅員は、総幅員が10.65メートル、有効幅員が9.75メートルで、車道は7.75メートル、歩道は片側2.0メートルです。

下部工は、控え壁式橋台1基、ラーメン橋台1基、RC壁式橋脚1基、RC柱橋脚5基から構成されています。基礎は、直接基礎2基、オープンケーソン3基、ニューマッチケーソン2基、場所打ち杭基礎1基が用いられています。最急縦断勾配は6.0%です。

設計は大日本コンサルタントが担当し、施工は清水建設・オリエンタルコンクリートJVが担当しました。架設工法は、枠組足場（単純桁部）とP&Z工法（ラーメン橋部）が採用されています。

P&Z工法

P&Z工法は、張り出し架設工法の一種であり、地上空間を用いずに移動架設桁を用いて橋を架ける方法です。月夜野大橋は、このP&Z工法が日本で初めて採用された橋として、土木技術の進歩に大きく貢献しました。

小川島橋

月夜野大橋に隣接する小川島橋もまた、重要な橋梁です。形式はPC2径間連続箱桁Tラーメン橋およびRC2径間連続中空床版橋で、橋長は150.0メートル。支間割は(2×59.3メートル) + (14.635メートル + 14.585メートル)となっています。基礎は、オープンケーソン1基（P1）と深礎杭基礎3基（P2・P3・A2）が用いられています。

小川島橋の縦断勾配は6.0%、曲率半径は230メートルです。施工は佐田建設・ピー・エス・コンクリートJVが担当し、架設工法はカンチレバー工法（PC部）と支保工法（RC部）が採用されています。

歴史

月夜野大橋は、1981年1月15日に着工し、1982年3月30日に竣工しました。同年には土木学会田中賞作品部門を受賞しています。1985年9月30日に開通しました。

竣工後もたわみの計測が長期的に行われており、有ヒンジラーメン橋における予測値の倍以上のたわみが記録されています。このデータは、橋梁の設計や維持管理において貴重な情報源となっています。

位置情報

月夜野大橋は、利根川に架かっており、近隣には徒渉橋、ふれあい橋、地蔵橋、沼田大橋があります。これらの橋梁とともに、地域の交通ネットワークを支えています。

まとめ

月夜野大橋は、革新的なP&Z工法の採用、美しい景観、そして長期的な計測データという、多くの特徴を持つ橋梁です。その存在は、土木技術の進歩と自然環境との調和を示す象徴として、地域社会に貢献し続けています。

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