『月明かりのキヲク』とその続編「悲劇、吹き荒れる時」の世界
『月明かりのキヲク』は、FEARが制作した「
アルシャードセイヴァーRPG」を基にしたリプレイ作品であり、
ゲームマスターの田中信二によって執筆され、イラストは猫猫猫が担当しています。この作品は、2012年から
ファミ通文庫の公式サイト『FB Online』で連載され、2013年3月には書き下ろしの「悲劇、吹き荒れる時」とともに文庫版としてまとめられました。
概要
この作品は、前版の『
アルシャードセイヴァーRPG リプレイ』がエントリーユーザー向けに執筆されたのに対し、『月明かりのキヲク』は過去のファンを意識した内容となっています。前作のキャラクターを使うことで、過去作のプレイヤーも魅了されています。特に、キャラクターのレベルアップを反映させることで、冒険がより深く楽しめる仕組みが整えられています。
シナリオは「青春」をテーマにしており、その中にさまざまな謎解き要素が盛り込まれています。学園生活を背景にしたストーリーは、初心者でも入りやすくなっている一方、経験者には挑戦的な要素も併せ持っています。このように、あらゆる層のプレイヤーが楽しむことができる作品になっています。
あらすじ
物語は、O町にある普通の高校、明峰学園を舞台に展開します。この学校には「探求部」という独特の部活が存在しており、部員たちは学園やその周辺に伝わる謎を解明することを目的としています。ある日、探求部は学園七不思議の一つ、「生徒たちの影が奪われる怪異」についての調査を依頼されます。この依頼をきっかけに、彼らは学園だけでなく街全体を脅かす奈落の陰謀に立ち向かうことになります。
登場人物
プレイヤーキャラクター(PC)
アタッカー/ソードマスター。眼鏡の魔剣使いで、妹に家の当主の座を譲るが、剣士としての才能を磨いている。彼の使命感は妹を守ること。
キャスター/メイジ/エンチャンター。五百住家のお嬢様で魔術の才能を持ち、特に魔法の知識に優れている。兄を心配しつつも冷静な態度を崩さない。
アタッカー/オーヴァーランダー/ヴァルキリー。異世界から現代に転生し、ご当地アイドルとして活躍中。恋愛に夢中な性格が特徴。
キャスター/ダークワン。教師として探求部の顧問を務める吸血鬼。自身の吸血鬼としての姿を保ちながらも普通の人間としての生活を送り続けている。
ノンプレイヤーキャラクター(NPC)
咲耶のクラスメイト。学園七不思議の調査を依頼する一方で、幼馴染の「影」の消失に困惑している。
じゅりあのクラスメイトで、圭司の幼馴染。じゅりあは彼らの仲を取り持とうと活動するが、いまだ恋愛は進展していない。
奈落の一族で、生徒の影を奪う存在。彼は多くの生徒を操り、悪事を働いている。
結論
『月明かりのキヲク』は、ただのリプレイ作品にとどまらず、多層的なストーリーと緻密に描かれたキャラクターたちを通じて、プレイヤーには新たな冒険の扉を開く作品です。その魅力を理解し、登場人物たちの成長や絆を見守ることで、あなた自身もこの学園と彼らの物語に引き込まれることでしょう。