菊池たけし

菊池たけし：TRPG界を彩る鬼才

菊池たけし（1968年9月13日生まれ）は、テーブルトークRPG（TRPG）や読者参加ゲームのデザイン、執筆で広く知られるゲームデザイナー、ライターです。株式会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチ（F.E.A.R.）の創設メンバーであり、現在は副社長を務めています。

TRPG関連の記事を執筆するライターとして、日本を代表する人物の一人であり、特にTRPGリプレイ作家としての名声は確立されています。2007年には、彼の代表作である『ナイトウィザード』がアニメ化され、更なる注目を集めました。

自らを「TRPGリプレイと読者参加ゲーム専門の局地戦用物書き」と称していますが、その才能はゲームデザインからコラム執筆まで多岐にわたります。

生い立ちと経歴

学生時代からウォー・シミュレーションゲームに親しみ、ツクダホビーやエポック社のゲームを友人たちと楽しんでいました。1985年、シミュレーションゲーム雑誌『シミュレイター』に掲載されたリプレイ記事『ローズ・トゥ・ロード』に衝撃を受け、TRPGとリプレイへの関心を深めます。

声優の池田秀一は高校の先輩にあたり、菊池は池田が演じたアニメ『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブルのファンであり、リプレイにシャアのオマージュキャラクターを登場させたり、アニメでの台詞を使うこともあります。後に『ナイトウィザード・ファンブック パワー・オブ・ラブ』のドラマCDでは実際に池田が出演しています。

その後、様々なゲーム雑誌に記事を投稿するようになり、『シミュレイター』や『タクテクス』などの雑誌でウォー・シミュレーションゲームやTRPGの記事を執筆するようになります。記事執筆にあたっては、ゲームサークル「サークルゆど～ふ」（後に「スタジオ世界館」）として、菊池が文章を書き、鈴木猛がイラストを描くというコンビで活動していました。初の商業誌でのリプレイ記事は、『シミュレイター』に連載されたウォー・シミュレーションゲーム『宇宙戦艦ヤマト』のリプレイでした。

『RPGマガジン』上では、サークル内の出来事を面白おかしく書く形式で人気を集め、同誌に連載したRPGリプレイ記事「アルセイルの氷砦」が人気を博し、看板ライターとなります。その後、『コンプRPG』や『マル勝PCエンジン』などにも数多くの記事を連載し、雑誌記事ライターとして多忙を極めます。

1993年にF.E.A.R.を創設し、同社のメンバーとして参加。以後は「スタジオ世界館」名義ではなく「F.E.A.R.」名義で活動するようになりました。

1990年代末期の「テーブルトークRPG冬の時代」には、TRPG関連の出版が停滞し、菊池がメディアに露出する機会は減りましたが、F.E.A.R.のスタッフとしてゲーム製作に携わったり、コンシューマゲームの脚本、『E-LOGIN』での読者参加企画などを担当していました。

2000年代に入り、『ナイトウィザード』の発売をきっかけに、リプレイが富士見ドラゴンブックとファミ通文庫で販売されるようになります。

代表作

代表作には、『セブン＝フォートレス』『ナイトウィザード』『アリアンロッドRPG』『女神天国』などがあります。

『セブン＝フォートレス』のリプレイ「アルセイルの氷砦」では、コミック・ライトノベル調の派手で明るいノリを持ち込み、読者とともにゲームを作っていくというライブ感をアピールしました。このリプレイは「砦シリーズ」として続編化され、『RPGマガジン』から『ゲーマーズ・フィールド』へと連載の場を移し、現在も続いています。

自作TRPGの他、『ダブルクロス』や『ブレイド・オブ・アルカナ』、『アルシャード』などのリプレイも手がけ、多数の作品が文庫化・単行本化されています。

また、『女神天国』を始めとする多数の読者参加ゲームのデザインやライター、コンシューマーゲーム『真・魔装機神』の脚本なども手がけています。

評価

菊池のリプレイは、世界滅亡の危機に立ち向かうような派手な物語が多く、シリアスな状況を軽妙でコミカルな文体で描写することが特徴です。RPGセッションのライブ感を文章で表現することにこだわり、ゲーム展開と関係ない雑談やプレイヤーの発言であっても、面白ければ積極的に文章として書き込みます。

また、キャラクター名の名づけ方として「目の前にある飲み物やお菓子からつける」というものが定番としてあり、ウェルチや三ツ矢伊右衛門などの例があります。

リプレイライターとして注目されることの多い菊池ですが、日本を代表するTRPGのゲームデザイナーでもあります。『セブン＝フォートレス』や『ナイトウィザード』、『アリアンロッドRPG』などを手がけ、ギャンブル性の高いピーキーなゲーム性が特徴です。

読者参加企画においては、美少女キャラクターを多用し、世界滅亡の危機などのシリアスなシチュエーションとのギャップを楽しむという黄金パターンを持っています。

作品世界のクロスオーバー

菊池は、自身の作品を同じ多元宇宙観に存在する平行世界であるとして、設定をクロスオーバーさせています。この多元宇宙観は「主八界」と呼ばれています。

スタンダードRPGシステムの企画にも貢献しており、『アルシャード』のシステム設計に関わりました。

井上純弌とは親友にしてライバルとして知られています。

多岐にわたる活動

菊池たけしは、TRPG界にとどまらず、小説やテレビアニメの脚本など、多岐にわたる分野で活躍しています。彼の作品は、多くのファンを魅了し続けています。

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