有光次郎

有光次郎（ありみつ じろう）

有光次郎は、日本の教育界に多大な影響を与えた官僚及び教育者である。彼は1903年12月15日高知県に生まれ、1995年2月22日に91歳でこの世を去った。1947年には文部事務次官に就任し、戦後の教育改革に深く関与した。特に教育基本法の制定や、6・3制の実施に寄与しており、その業績は後世の教育制度の基盤を築く重要な役割を果たした。

来歴

有光は地元の旧制高知県立第一中学校と旧制第三高等学校を卒業後、東京帝国大学法学部に進学し卒業した。1927年には文部省に入省し、以降様々な職務を歴任する。

1932年：宗教局保存課長
1934年：専門学務局学務課長
1941年：大臣官房文書課長
1942年：大臣官房秘書課長兼大臣秘書官
1945年：科学局長、その後体育局長及び教科書局長を歴任
1947年：文部事務次官に就任

戦後の混乱した時代において、有光は教育制度の整備に尽力し、1948年に文部省を退官した後も、国語審議会の委員として国語教育の発展に寄与した。また、教育出版社の秀英出版社長も務めた。

1962年には武蔵野美術大学初代学長として新たな教育機関の設立に携わり、その後も東京家政大学学長や東京女学館館長など多くの教育機関で指導的立場を担った。1979年から1990年までの間、日本芸術院長を務めるなど、広範囲にわたる文部教育関係の審議会や委員会に参加し、国の教育方針にも影響を与えた。

さらに、吾嬬製鋼所社長を務めるなど、企業界でも手腕を発揮した。文部教育の分野における彼の貢献は、数多くの評判や賞を受けることに繋がり、1974年には勲一等瑞宝章を受章し、1989年には名誉都民の称号も得た。

著書

有光次郎はまた、著作活動にも取り組み、以下のような書籍を残している。

• - 『宗教行政』常磐書房、1934年
• - 『8ミリ映画の作り方使い方』編、全日本社会教育連合会 社会教育選書、1960年
• - 『有光次郎日記 昭和二年～二十三年』編者：楠山三香男、第一法規出版、1989年

彼の著作は、教育や社会に対する考えを示す貴重な資料となっている。特に日記は、当時の時代背景や彼自身の考えを知る上で興味深い内容となっている。

結論

有光次郎は、教育の発展と国民の文化向上に寄与した人物として、今も多くの人々に記憶されている。彼の活動は、戦後日本の教育改革の考え方や方向性を示し、それに関る数々の役職での実績は、次世代に受け継がれるべき重要な歴史である。特に彼が行った教育制度改革は、現在の教育環境においても重要な意義を持ち続けている。

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