軍手

軍手（ぐんて）

概要

軍手とは、主に作業用に使用される手袋の一種で、一般的には白色のメリヤス製のものを指します。これらの手袋は非常に伸縮性があり、左右に関係なく使用できます。また、耐久性に優れ、コストも低価格のため、幅広い作業に適しています。「軍手」という名前は、「軍用手袋」の略で、元々は旧日本軍の兵士が着用していたことに由来します。

特徴

軍手は、作業中の切り傷や擦り傷を防ぐために着用されます。しかし、ドリルや回転機械を使用する際には、布が回転部分に巻き込まれるリスクがあるため、安全上の注意が必要です。労働安全衛生規則の第101条では、労働者に対して回転する刃物などを扱う場合、手袋の使用を禁止しています。また、多くの製造元が注意喚起を行っているため、適切な使用が求められます。

歴史

軍手の起源は江戸時代末期に遡ります。具体的には、1844年から1860年頃、士族が鉄砲を扱う際に手袋を着用し、鉄錆を防ぐためにこのアイテムが導入されたとされています。1867年には、徳川幕府が軍隊を設立し、手袋の需要が急増しました。明治時代に入ると、大日本帝国陸海軍の創設により、軍手の必要性がさらに高まります。この頃に「軍手」という名称が一般化されたと言われています。戦前の軍手は官給手袋として使われており、防寒具としても重宝されました。

当時の軍手は、平織りのメリヤスで作られ、指部分と手の平部分は別々に縫い上げられていました。手首にはゴムが含まれず、全体が白一色でした。戦後も基本的な製法は変わらず、高価でしたが、1950年代には半自動機織り機の導入により生産量が増加し、価格も低下しました。1955年には、島精機製作所が手首にゴムを用いた「ゴム入り安全手袋」を開発。1963年、さらなる技術革新により全自動手袋編機が登場し、最終的には全自動化が実現されました。

種類

軍手には、様々な素材や形態に基づく種類があります。以下に代表的なものを挙げます。

• - 綿軍手: 綿100%で編まれており、高熱物接触時に溶解せず焦げることで火傷のリスクを減少させます。
• - 化繊軍手: ポリエステルなどの化学[[繊維]]で編まれたもので、コストが最も低いですが、高熱には弱いです。
• - 再生（リサイクル）軍手: 衣料品から再利用された綿糸を用いるため、様々な色や柄があります。
• - 滑り止め付き軍手: 手の平にゴムなどの滑り止め加工が施され、握力が向上しています。
• - 長軍手: 手首までカバーすることで、より良好な保護を提供します。
• - 精密軍手: 細かい作業用に特別に設計されています。
• - スマートフォン対応軍手: 指先に導電性の糸を使用しているため、スマートフォンやタブレットの操作が可能です。

まとめ

軍手は、多様な作業環境で使用される重要な作業用手袋です。その歴史からもわかるように、安全性と利便性が考慮された設計がされており、材料や目的に応じた多様なタイプが存在します。適切に使用することで、作業の際の安全を高めることができます。

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