有坂鉊蔵

有坂鉊蔵の生涯と業績

有坂鉊蔵（ありさか しょうぞう）は、1868年2月4日に生まれた日本の海軍軍人であり工学者、さらには考古学者としても知られています。彼は東京帝国大学の名誉[[教授]]であり、帝国学士院の会員でもありました。最終的には海軍造兵中将の階級を持ち、海軍造兵廠の長官および東京帝国大学で教授職を歴任しました。

初期の生涯

有坂は、ある財務機関の支配下にある役人の息子として生を受けました。1887年9月には東京帝国大学工科大学に入学し、海軍の技術学生として造兵学を学びました。1890年に卒業後、フランスに留学し、パリおよびルアーブルで工学の研究を続けました。翌年、オチキス速射砲製造所で学び、技術を磨きました。

軍歴の歩み

帰国した1893年12月には海軍少技士に任官されます。その後、造兵廠の製造科主幹や呉仮設兵器製造所の製造主幹など数々の職務をこなしました。1898年から1900年にかけてイギリスの造兵監督官として出張し、その後様々な要職を経て1909年に造兵大監に昇進しました。さらに、呉工廠の砲熕部長や海軍技術本部の員などを歴任し、1915年には造兵総監に就任して1920年には造兵中将に昇進しました。1923年には予備役に編入され、1935年に退役しました。

教育者としての活動

有坂は海軍の軍務に従事する傍ら、教育者としても重要な役割を果たしました。1902年から1923年3月まで東京帝国大学の工科大学および工学部で教授を務め、教育に力を入れました。さらに、工学博士の称号を得て、1926年には名誉[[教授]]に指定されました。また、彼は帝国学士院のメンバーであり、帝國酸素（後の日本エア・リキード）の社長としても活動しました。

考古学への情熱

若い頃からエンジニアとしての道を歩む傍ら、有坂は考古学に強い関心を持っており、様々な遺跡の調査を行っていました。特に1884年には向ヶ岡弥生町で素焼きの壷を発見し、その後坪井正五郎や白井光太郎と共に研究を進めました。有坂が発見した壷は、当時の一般的な縄文土器とは異なるものであり、後に「弥生式土器」と名付けられました。この発見は考古学界に大きな影響を与え、弥生時代という時代名の生成にも寄与しました。

家族と後世への影響

有坂鉊蔵は家庭を持ち、妻は前田享の娘、敏子です。彼には二男や三男、四男、五男と数人の子どもがおり、それぞれが陸軍や海軍、音楽評論や言語学の分野で活躍しました。彼の家族は日本の様々な分野で重要な役割を担っています。

著作と貢献

有坂は学術的な貢献を数多く残しました。特に『兵器沿革図説』や、古代、砲熕、近代篇の『兵器考』など著名な著書があり、考古学や工学分野においても数々の業績を上げています。彼の研究と活動は日本の技術発展と考古学の進歩に大きく寄与しました。彼の肉体的な存在は1941年1月19日に終わりましたが、彼の功績は今なお評価されています。

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