有機酸

有機酸：性質、用途、そして生物における役割

有機[酸]]とは、酸性の性質を示す有機化合物の総称です。その多くはカルボキシ基(-COOH) を含むカルボン[[酸]]ですが、スルホン酸] を持つものや、[[ヒドロキシ基、チオール基、エノール基を持つものも含まれます。ただし、生化学の分野では、後者の基のみを持つ化合物は有機酸とは分類されないことが多いです。

有機酸の特徴：無機酸との比較

無機酸（鉱酸）が水中で容易に解離するのに対し、有機酸は一般的に弱酸であり、水中での解離度は低くなります。分子量の小さい有機酸、例えばギ酸や酢[[酸]]などは水に溶けやすいですが、分子量の大きい有機酸、例えば安息香[[酸]]などは水への溶解度が低くなります。一方、多くの有機酸は有機溶媒に良く溶けるという特徴があります。

有機合成化学の分野では、パラトルエンスルホン酸がよく用いられます。これは、比較的強い酸性でありながら、反応溶液への溶解度が高いという利点があるためです。ただし、置換基の種類によっては、この溶解度や酸性に例外が見られる場合もあります。

有機酸の用途

有機酸は、塩[[酸]]やフッ化水素[[酸]]などの無機酸と比較して、金属との反応性が低いため、反応には高温・長時間の処理が必要となる場合があります。

一方、クエン酸や酢[[酸]]などの有機酸の塩は、生物学において緩衝液として頻繁に使用されます。これは、有機酸がpHの変化に抵抗する性質を持つためです。

生物における有機酸の役割

生物の代謝系は、L-乳[[酸]]、クエン酸、D-グルクロン酸など、カルボキシル基やヒドロキシ基を含む様々な有機酸を産生します。ヒトの血液や尿中には、これらの有機酸に加えて、アミノ酸や神経伝達物質の代謝産物も含まれています。例えば、α-ケトイソカプロン酸、バニリルマンデル酸、D-乳[[酸]]などは、それぞれロイシン、アドレナリンの代謝産物です。これらの有機酸の濃度を測定することで、代謝異常の検出などに役立てることができます。

代表的な有機酸

ギ酸
酢[[酸]]
クエン酸
シュウ[[酸]]

これらの有機酸は、食品保存料、医薬品、化学工業製品など、様々な用途で使用されています。

参考文献

Dibner J.J., P. Butin. 2002 - Use of organic acids as a model to study the impact of gut microflora on nutrition and metabolism. J. Appl. Poultry Res. 11:453-463
Patanen K.H., Z. Mroz. 1999 – Organic acids for preservation. Disinfection, sterilization & preservation (S.S. Block editor) Lea Febiger, Philadelphia PA.
* Brul S., P. Coote. 1999 – Preservative agents in foods, mode of action and microbial resistance mechnismes. Intl. J. Food Microbiology 50:1-17

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