有若

有若（ゆうじゃく）について

有若は、孔子の弟子の一人として知られ、孔子の思想が広まる過程において重要な役割を果たしました。『論語』の学而篇では有子（ゆうし）として言及され、その名が示すように孔子から重視されていたことがわかります。有若の名前が出るたびに、彼が孔子の教えを受け継ぐ者として位置づけられていることが反映されています。

略歴

有若は魯の人で、字は子有です。その生年に関しては諸説あり、古代文献によると孔子より43歳若いとするものや、33歳若いという意見もあります。現行の『孔子家語』によれば、彼は孔子より36歳若いとされています。彼が没した年についての記録もあり、『礼記』檀弓の記事に基づくと、魯の悼公の時代（在位前467年-前437年）に亡くなったことが分かります。これらの情報から、有若は紀元前6世紀後半に生まれ、紀元前5世紀中頃に亡くなったと推測されます。

孔子への影響

『孟子』によると、有若は孔子に容貌が似ていたため、孔子の死後、他の弟子たちが彼に仕えることを希望した逸話がありますが、曾子がこれを批判したことも記録されています。このように、有若は他の弟子からも注目される存在だったことが伺えます。また『史記』では、他の弟子たちが孔子の教えについて有若に質問したが、彼がそれに答えられなかったため、孔子の代わりにはなれないと非難されたというエピソードも存在します。

さらに、王応麟は彼を曾子と対比させ、評価を下げていますが、それでも『論語』の中で彼の言葉は3回語られており、特に「和を以て貴しとなす」や「孝弟なる者はそれ仁の本たるか」は広く知られた名言です。これらのテーマは、彼の教えや思想がどのように広がっていたかを物語っています。顔淵篇においては、哀公の質問に対する有若の答えも記録されており、彼が政治学にも関心を寄せていたことが伺えます。

政治的な活動と後の栄誉

有若は政治学を専攻し、政においても活動していたことが知られています。『春秋左氏伝』の哀公8年の記事にも彼の名前が登場しており、この時点でも彼の影響力は感じられます。

さらに、有若は清の乾隆3年（1738年）に、孔子の弟子の中で特に傑出した12人、すなわち「十二哲」の一人に加えられました。これは、彼の思想や教えが時代を超えて評価され続けていることを示す証拠です。

結論

有若は孔子の教えを受け継ぎ、政治や倫理に関する重要な考えを持ち合わせていた人物です。彼の業績と教えは、後世にわたって影響を与え続けています。

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