有馬和歌子

有馬 和歌子

有馬 和歌子（ありま わかこ）は、1998年（平成10年）9月30日生まれの日本の日本舞踊家であり、伝統芸能に関わるプロデューサーとして多岐にわたる活動を展開しています。日本舞踊坂東流の師範であり、その舞踊家としての名跡は坂東寛十胤（ばんどう かんとみ）を名乗ります。著名な日本舞踊家である坂東寛二郎氏の長女として生まれ、幼少より父に師事し、その芸を磨いてきました。また、後進の育成にも熱心であり、日本舞踊教室「子供舞踊塾」を主宰し、代表を務めています。学業においては学習院大学を卒業しています。

舞台活動

有馬和歌子氏は、そのキャリアを通じて数々の舞台に出演し、古典舞踊の継承と新たな表現の探求に取り組んでいます。

国立劇場: 2000年より、日本の代表的な舞台である国立劇場に八度にわたり出演。自身の自主公演やリサイタルも開催し、日本舞踊家としての確固たる地位を築いています。
浅草公会堂: 2005年以降、伝統芸能の発信地である浅草公会堂の舞台にも四度立っています。
増上寺: 2021年5月には、増上寺の野外特設ステージにて、父・坂東寛二郎氏とともに特別な公演を行いました。オーケストラとの共演による創作舞踊「忠臣蔵」と「ボレロ」を上演し、出演だけでなく演出も手掛けるなど、伝統と現代音楽、そして空間を見事に融合させた意欲的な試みとして注目を集めました。
猿田彦神社: 2018年4月には、猿田彦神社にて奉納舞踊を披露しました。書家の金澤翔子氏との実演共演という形で、古事記に題材を得た創作舞踊を奉納。「天照大神」をイメージした舞は、伝統的な奉納の場に新たな息吹をもたらしました。
東大寺: 2017年4月に東大寺で開催された「EARTH×HEART LIVE」では、5000人収容の野外ステージにて壮大なパフォーマンスを披露しました。声優の野沢雅子氏による語りに合わせて創作舞踊「東大寺」を舞い、歴史ある空間でスケールの大きな表現を実現しました。
企業イベント: 虎ノ門ヒルズや舞浜アンフィシアターなど、多様な会場での企業イベントにも参加しています。2018年4月には虎ノ門ヒルズでのLenovoキックオフイベント「NINJA」に出演・演出を手掛け、2017年4月には舞浜アンフィシアターでのLenovoキックオフイベントにて「連獅子」を披露しました。また、国際的なMICEイベントであるConnections Luxury Tokyo（2022年）でも「連獅子」を演じ、海外からの参加者にも日本の伝統芸能の魅力を伝えました。

これらの活動を通して、有馬和歌子氏は伝統的な劇場空間のみならず、寺社仏閣、野外、企業イベントなど、様々な場所で日本舞踊を披露し、その普及と可能性の拡大に貢献しています。

メディア出演

舞台活動に加え、テレビやCMなど、メディアを通じた表現活動も行っています。

CM: 2021年1月より放映されている伊藤忠商事の企業CM「未来を、試着しよう。」に出演し、伝統芸能に携わる若き担い手としての姿を見せました。また、2023年の眼鏡市場の初売CM「１万円」篇では、女優の木村文乃氏と共演。自身が主宰する「子供舞踊塾」の生徒たちも出演し、日本舞踊の広がりを示す機会となりました。
テレビ: 2016年8月にはテレビドラマ「斎王 ～幻の宮の皇女～」にて斎王役を務め、演技にも挑戦しています。また、2018年にはNHK Worldの情報番組「Tokyo Fashion Express」にも出演しました。

伝統芸能プロデューサー・後進育成

有馬和歌子氏は、単なる舞踊家としてだけでなく、伝統芸能のプロデューサーとしても活動しており、様々な企画の立案や演出に関わっています。異分野アーティストとのコラボレーションや、非伝統的な空間でのパフォーマンスプロデュースは、その代表的な例と言えるでしょう。また、「子供舞踊塾」の代表として、次世代を担う子供たちへの日本舞踊の指導に力を入れています。伝統文化の正しい継承と、子供たちが感性を磨き、表現力を育む場を提供することで、未来への架け橋を築いています。

まとめ

有馬和歌子氏は、日本舞踊家 坂東寛十胤として古典の型を深く追求する一方で、プロデューサーとして伝統の枠に留まらない新しい表現を意欲的に模索しています。オーケストラ、書家、声優といった異分野のアーティストとの協演、寺社仏閣や野外といった非劇場空間でのパフォーマンス、そしてCMやテレビといった多様なメディアでの活動は、伝統芸能の持つ可能性を広げ、現代社会におけるその存在感を高めるものです。また、「子供舞踊塾」を通じて未来の担い手を育てる活動は、伝統の持続的な発展に不可欠な取り組みと言えます。若き感性と確かな技術、そしてプロデュース能力を兼ね備えた有馬和歌子氏は、日本が誇る伝統文化を現代に繋ぎ、未来へと発展させていく上で、極めて重要な役割を担っていると言えるでしょう。

[外部リンク]

* 公式ウェブサイト

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