服部住吉神社

服部住吉神社：歴史と文化が息づく豊中市の氏神

大阪府豊中市服部南町に鎮座する服部住吉神社は、地域住民にとって重要な氏神様として親しまれています。創建時期は定かではありませんが、社記には仁平2年（1152年）に本殿と鳥居を再建したとの記述があり、それ以前からこの地に存在していたことが推測されます。

歴史を紐解くと、天正6年（1578年）の織田信長による荒木村重攻めの戦火によって社殿が焼失したという辛い過去も持ち合わせています。しかし、元和8年（1622年）に再建され、人々の信仰を支え続けてきました。明治時代には村社に列格され、地域社会における神社としての地位を確固たるものとしました。

昭和22年（1947年）には、痛ましいことに失火により社殿が全焼する災難に見舞われました。しかし、地域住民の強い信仰心と尽力により、復興に向けて動き出します。そして、新たな転機が訪れます。大阪城内に遷座されることになった豊國神社の旧社殿を譲り受けることができたのです。この旧社殿を活用し、昭和36年（1961年）、現在の社殿が完成しました。本殿、幣殿、拝殿は、豊國神社から移築された由緒ある建物です。

境内に目を向けると、国登録有形文化財に指定されている能舞台が目を引きます。明治31年（1898年）に建立されたこの能舞台は、大阪府下最古級のもので、歴史的にも貴重な建造物です。当初は大阪博物場（現在の大阪商工会議所）に建てられ、その後大阪天満宮に移築された後、昭和52年（1977年）に現在の住吉神社に移築されました。能舞台の鏡の間は、服部天神宮に移築されている点が興味深いところです。現在も、8月の薪能をはじめ、年間数回、能や狂言が催され、伝統芸能に触れる機会を提供しています。

その他、境内には社務所、神門、住吉稲荷社、住吉龍神社などの建物や摂末社が配置され、神聖な雰囲気を醸し出しています。

服部住吉神社は、幾多の困難を乗り越え、歴史と文化を今に伝える重要な場所です。豊國神社ゆかりの社殿や、歴史ある能舞台など、見どころも多く、豊中市を訪れた際にはぜひ参拝して、その歴史と文化に触れてみてください。

主な祭事

1月1日 歳旦祭
6月30日 夏越大祓式
7月31日 夏祭
10月15日 例祭
12月31日 晦大祓式

アクセス

住所：大阪府豊中市服部南町2丁目3-31
* 交通：阪急宝塚本線服部天神駅下車後、徒歩約5分、国道176号 服部駅前交差点から徒歩3分

服部住吉神社は、地域住民の信仰を集め、歴史と文化を繋ぐ重要な役割を担う神社です。訪れる人々に、静寂と安らぎ、そして歴史への思いを届けてくれることでしょう。

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