朝倉軌道

朝倉軌道の歴史

概要

朝倉軌道（あさくらきどう）は、1908年から1940年まで福岡県朝倉郡を中心に軽便鉄道、乗合バス、貨物自動車を運行していた日本の企業です。中央軌道や両筑軌道など周辺の鉄道会社を傘下に持ち、この地域の交通の中核を担いました。また、朝倉軌道の本線は二日市町（現・筑紫野市）から甘木町（現・朝倉市）を結び、さらに杷木町へと続く鉄道路線でも知られています。

沿革

開業への道

朝倉軌道が開業するまでには、九州鉄道の開業から続く多くの計画がありました。1891年には原田駅から甘木への路線を計画した原田甘木間鉄道、さらに筑豊鉄道や北筑鉄道による計画もありましたが、金融恐慌などの影響でいずれも実現には至りませんでした。それらの失敗を経て、1906年には甘木町の具島又二郎らが朝倉軌道を計画し、二日市駅を起点にするという新たな方針が決定されました。

開業と発展

1908年12月14日、二日市-甘木間の15.5kmが無事に開業。初めは旅客輸送のみが行われていたものの、1909年からは貨物輸送もスタートしました。この時期には、甘木の特産品である木蝋や木綿の輸送が行われ、多くの祝賀行事で開業が盛大に祝われました。さらに、その後も路線の延長が進められ、1912年には恵蘇宿まで開通しました。

事業の多様化

1924年には、乗合バス事業者が登場し、朝倉軌道も自動車部を設立。バス路線やトラック輸送の営業を開始し、1930年代には自動車部門との競争も激化しました。特に赤塗自動車との競争が熾烈で、急増する運賃引き下げや増便を行うことで、事業の存続に苦慮することとなりました。

転換と経営の厳しさ

しかし、1930年代に入ると、昭和恐慌やバスへの乗客移動が影響し、軌道線の経営は厳しさを増していきます。旅客収入の減少に対抗するため、無認可での運賃引き下げや、自製のガソリンカーの導入を進めるも、実際の経営状況は厳しいものでした。

終焉

最終的に、1939年に甘木線が開通すると、朝倉軌道は運輸営業廃止を申請。その後、全線が運行休止となり、1940年には会社の解散が認可されました。このようにして、朝倉軌道はその歴史に幕を下ろすことになります。

まとめ

朝倉軌道は、地域の交通を支え続けた企業であり、その歴史は多くの挑戦と変遷が含まれていました。当時の経営努力や一貫した輸送の存在感は、今でも地域の交通史の中で重要な位置を占めています。

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