朝日ヶ丘遺跡

朝日ヶ丘遺跡（あさひがおかいせき）

朝日ヶ丘遺跡は、兵庫県芦屋市朝日ケ丘町に位置する、旧石器時代から縄文時代にかけての複合遺跡です。およそ6000年前の人々の生活を今に伝える貴重な場所として知られています。

概要

遺跡は、標高50メートルのなだらかな山麓台地に位置しています。その存在が確認されたのは1964年（昭和39年）2月、芦屋病院南方の道路工事中のことでした。これを受けて、1964年と1973年（昭和48年）に発掘調査が実施され、数多くの遺物が発見されました。

現在、遺跡の一部は緑地として整備されており、「朝日ヶ丘縄文遺跡」と刻まれた石碑が建てられています。この緑地に隣接する朝日ヶ丘集会所内には、「朝日ヶ丘遺跡出土品展示コーナー」が設けられ、発掘された土器や石器などが展示されています。また、集会所の前庭には、芦屋市全域を300分の1に縮尺した触覚模型が設置されており、市内の様々な遺跡の位置関係を触って確認することができます。

出土遺物

発掘調査によって、以下のような遺物が出土しています。

土器：縄文土器など、当時の生活を知る上で重要な資料です。
石器：
ナイフ形石器：動植物の解体などに使用されたと考えられています。
刀器：木の伐採や加工などに使用された可能性があります。
削器：木や骨などを削るために使用されたと考えられています。
掻器：皮なめしや木材の加工に使用されたと考えられています。
彫器：骨角器や木製品に装飾を施す際に使用されたと考えられます。
尖頭器：槍の穂先などに使用されたと考えられています。
台形石器：用途は不明ですが、当時の石器製作技術を知る上で貴重な資料です。
石核：石器を作るための石材です。
有舌尖頭器：旧石器時代の特徴的な石器で、槍の穂先などに使用されたと考えられています。
剥片：石器製作の際に出る石の破片です。

これらの出土品は、当時の人々の生活や文化、技術を知る上で貴重な手がかりとなります。

交通アクセス

阪急電鉄芦屋川駅より徒歩約25分
JR芦屋駅より徒歩約25分
阪神電鉄阪神打出駅より徒歩約30分
阪急バス
「芦屋病院南口」バス停より徒歩約3分
「岩ヶ平」バス停より徒歩約5分

周辺情報

遺跡周辺は閑静な住宅街となっており、緑豊かな自然も残されています。遺跡見学の際には、周辺の散策も楽しむことができます。

参考文献

武藤誠　有坂隆道　末中哲夫　村川行弘『新修芦屋市史』資料篇1 1976年
芦屋市教育委員会『芦屋の生活文化史―民俗と史跡をたずねて―』1979年
* 芦屋市教育委員会『芦屋の文化財ハンドブック』2015年

朝日ヶ丘遺跡は、古代の人々の息吹を感じることができる貴重な場所です。芦屋市を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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