朝日工業

朝日工業株式会社

朝日工業株式会社（あさひこうぎょう）は、東京都豊島区に本社を構える電気炉メーカーです。主に建設資材として重要な異形棒鋼などの鉄鋼製品の製造販売を手がけており、事業全体の約70%を鉄鋼建設資材部門が占める主柱となっています。一方で、鉄鋼事業に加え、農業関連事業も展開している点が特徴です。

事業内容

朝日工業は、多岐にわたる製品群を通じて日本の社会インフラや農業分野に貢献しています。

鉄鋼建設資材事業: 電気炉を用いた製鋼プロセスを経て、異形棒鋼、構造用鋼、ねじ節鉄筋といった建設現場に不可欠な鉄鋼製品を生産・供給しています。これらの製品は、建築物や土木構造物の強度と安全性を支える基盤となります。
農業関連資材事業: 鉄鋼事業とは異なり、肥料や種子といった農業に貢献する製品を取り扱っています。
有機肥料、無機肥料の製造・販売
園芸肥料の製造・販売、園芸関連商品の販売
野菜等種子の生産・販売
乾牧草の輸入・販売

沿革

その歴史は、戦前の化学肥料メーカーに遡ります。事業内容を変化させながら発展を遂げてきました。

1935年（昭和10年）: 前身である朝日化学肥料株式会社が兵庫県尼崎市にて設立され、肥料事業からその歩みを始めました。
1960年（昭和35年）: 日本ニッケル株式会社の鉄鋼部門を吸収し、社名を西武化学工業株式会社に変更。この時点から鉄鋼事業が加わります。
1985年（昭和60年）: 西武化学工業株式会社が朝日食品株式会社および丸上株式会社と合併。この合併により、現在の社名である朝日工業株式会社が誕生しました。
1991年（平成3年）: 組織再編により、農業資材および鉄鋼建設資材事業を朝日工業株式会社が引き継ぎ、食品事業は朝日食品工業株式会社として分離されました。
2005年（平成17年）: 株式市場への上場を果たし、JASDAQ市場（現在の東証スタンダード市場）に株式を公開しました。
2018年（平成30年）: 大手電炉メーカーである合同製鐵株式会社が、朝日工業株式会社の株式に対する公開買付け（TOB）の実施を発表。企業結合審査を経て、合同製鐵によるTOBが開始される見込みとなり、同時に監理銘柄に指定されました。
2019年（平成31年/令和元年）: 合同製鐵株式会社による公開買付けが無事成立し、朝日工業株式会社は同社の連結子会社となりました。同年7月23日にはJASDAQ市場での上場が廃止され、7月25日には株式併合が行われ、合同製鐵株式会社の完全子会社となりました。

事業所

全国に主要な事業所および工場を配置し、製品の製造・供給体制を築いています。

本社: 東京都豊島区東池袋3-23-5 Daiwa東池袋ビル
埼玉事業所・工場: 埼玉県児玉郡神川町
埼玉工場（鉄鋼）
関東工場（肥料）
千葉工場: 千葉県旭市（肥料）
大阪事業所: 大阪府大阪市北区（肥料関連の営業拠点など）
関西工場: 滋賀県甲賀市（肥料）

関係会社

株式会社上武（2011年3月に上武産業と上武エコ・クリーンが合併）
朝日ビジネスサポート株式会社

関連項目

日本の企業一覧 (鉄鋼)
上武鉄道
西洋環境開発
波照間島 - 戦前に肥料原料となる燐鉱石をこの島で採掘していた歴史があります。

現在、朝日工業株式会社は、合同製鐵株式会社の一員として、培ってきた技術と経験を活かし、日本の社会基盤整備と農業の発展に貢献し続けています。

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