朝比奈千足

朝比奈千足（あさひな ちたる）は、1943年5月8日生まれの日本の指揮者、クラリネット奏者です。父は同じく指揮者の朝比奈隆であり、音楽一家に育ちました。現在は、神戸フィルハーモニックの音楽監督兼常任指揮者として楽団を牽引する傍ら、京都市立芸術大学で非常勤講師として、また大阪府警察音楽隊で嘱託講師として、後進の指導にもあたっています。

経歴

兵庫県立神戸高等学校を卒業後、慶應義塾大学法学部に進学。1966年に西ドイツ（当時）へ留学し、ブレーメン市立音楽院で学びました。その後、1968年にはベルリン音楽大学（現在のベルリン芸術大学）に入学し、ハインリヒ・ゴイザー教授の下でクラリネットの研鑽を積みました。1970年からは、クラリネットの独奏者として、西ヨーロッパや日本国内で演奏活動を展開しました。

1973年には活動の幅を広げ、指揮の分野にも進出。1977年には東ドイツに渡り、ベルリン国立歌劇場の音楽監督であったオトマール・スウィトナー氏の助手を務め、貴重な経験を積みました。翌年には、当時の東ドイツ・ズール交響楽団を指揮し、指揮者としてデビュー。帰国後は、大阪フィルハーモニー交響楽団を指揮し、国内デビューを果たしました。これを機に、本格的に指揮者としての活動を開始しました。

これまでに、京都市交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団など、国内の主要なオーケストラに客演。1991年には、オーストラリアのクイーンズランド・フィルハーモニー管弦楽団（オーボエ独奏者：アンソニー・キャムデン）を率いて日本国内ツアーを行い、録音も行われました。また、慶應義塾のワグネル・ソサィエティーOBオーケストラへの客演をはじめ、慶應義塾関連の式典にも頻繁に出演しています。

さらに、テレビ番組『題名のない音楽会』への出演や深夜ラジオのDJを務めるなど、従来の指揮者のイメージにとらわれない、幅広い活動を展開しています。音楽の普及にも貢献し、多くの人々に音楽の魅力を伝えています。

受賞歴

朝比奈千足は、その卓越した音楽活動に対し、大阪文化祭賞、在日外国人記者クラブ賞、神戸市文化奨励賞など、数々の賞を受賞しています。

外部リンク

神戸フィルハーモニック

朝比奈千足は、指揮者、クラリネット奏者、そして教育者として、多岐にわたる音楽活動を通じて、日本の音楽界に大きく貢献しています。その才能と情熱は、多くの人々に感動と喜びを与え続けています。

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