梨本宮守正王

梨本宮守正王の生涯と業績

梨本宮守正王（なしもとのみや もりまさおう、1874年3月9日 - 1951年1月1日）は、日本の旧皇族の一員であり、陸軍軍人としても著名です。彼は陸軍の元帥としての地位を持ち、多くの栄誉を受けています。守正王は、第3代梨本宮家の当主であり、明仁上皇の大叔父でもあります。その一方で、娘の方子は大韓帝国の最後の皇太子に嫁いでいます。

生い立ちと家族

守正王は、久邇宮朝彦親王の四番目の王子として誕生しました。初名は多田でしたが、梨本宮家の相続を経て守正に改名されました。梨本宮家は守脩親王を祖としており、その後、山階宮家から出た菊麿王が後を継ぐこととなりましたが、最終的には守正王が相続を引き継ぎました。こうした背景から、公式には彼は家の第2代とされていますが、実質的には第3代目となります。

結婚と子どもたち

1894年、守正王は20歳の時に貴族院議員に就任し、1896年に陸軍士官学校を卒業しました。その後、歩兵第11連隊に配属され、1900年には鍋島直大侯爵の二女、伊都子と結婚しました。夫妻の間には方子女王と規子女王の2人の娘が誕生しました。

軍歴

日露戦争においては、参謀本部として勤務後、第3軍の武官として前線に出ました。この功績により、彼は功四級金鵄勲章を受章しています。戦後、彼は再びフランスに留学し、陸軍大学校を卒業しました。また、第一次世界大戦では第16師団の指揮官として重要な役割を果たし、陸軍大将へと昇進し、元帥の称号を授与されました。1940年には大勲位菊花章頸飾を受賞しています。さらには軍事参議官や在郷[[軍人会]]の総裁、大日本武徳会の総裁などを歴任しました。守正王は1945年に陸軍が解体されるまで軍務を続け、11月30日に退役しました。

伊勢神宮祭主と国家神道

第二次世界大戦中の1943年、守正王は伊勢神宮の祭主に就任しました。1945年には皇典講究所の総裁となりますが、戦後、彼は国家神道の宗主的存在として連合国軍に目を付けられ、A級戦犯容疑の対象となってしまいます。1945年12月には逮捕命令が発出され、彼は唯一の皇族として逮捕されました。しかし、守正王は身の潔白を主張し、半年後に不起訴となり解放されました。その後、彼が帰宅する際に集団強盗に遭遇し、多くの財産が失われてしまいました。

不遇な戦後と逝去

1946年5月には貴族院議員を辞任し、続いて1947年10月に皇籍離脱。公職追放を経て、1951年1月1日に自邸で76歳で逝去しました。死後の1952年には公職追放が解かれました。彼の配偶者であった伊都子妃は、守正王の死後も称賛され、94歳で逝去しました。守正王の生涯は、歴史的背景や家族との関わりが色濃く反映されており、今でも多くの人々に記憶されています。石碑が、彼の訪問の記憶としてサハリンに残されていることから、彼の存在は歴史において忘れられぬものとなっています。

彼の業績と生涯は日本の近代史の中でも重要な位置を占めており、今後も多くの研究対象となることでしょう。

もう一度検索