朝鮮文学建設本部

朝鮮文学建設本部の概要と歴史

朝鮮文学建設本部（ちょうせんぶんがくけんせつほんぶ）は、1945年8月16日に太平洋戦争が終結した後、連合軍の支配下にあったソウルで設立された文学団体です。この団体は、当時の社会情勢の中で生まれ、朝鮮の文化や文学の発展を目指して活動を行いました。

結成の経緯

設立にあたっては、林和と金南天の二人が中心となり、彼らは朝鮮プロレタリア芸術家同盟の少壮派に属する重要な人物でした。朝鮮文学建設本部は、同じような志を持つ他の芸術団体の中でも最も早く発足したものであり、その後の文芸活動において重要な役割を果たしました。

設立からわずか2日後の8月18日には、朝鮮文化建設中央協議会を発足させ、他の分野の団体も取り込む能力を示しました。この動きにより、朝鮮文化全体の発展を目的とした統合的な活動が進められました。李泰俊、李源朝、厳興燮などの著名な文人も加わり、団体はその影響力を拡大していきます。

分裂と解体の経緯

当初、朝鮮文学建設本部は左派が主導権を握ったものの、広く文学界の人々が参加していました。特に、親日的活動が問題視されなかった頃であったため、イデオロギーを超えた多くの文人が参加していました。左派の動きが目立っていなかったため、団体は比較的穏健な表現を保っていました。

しかし、時が経つにつれて、左翼の強硬派からは不満の声が上がるようになりました。特に、朝鮮文学建設本部の活動が改良的な路線をとり、一部の文人の親日行跡に対して寛容であることに対し、強硬派は不満を持ちました。このような背景から、9月17日に宋影や李箕永が新たに朝鮮プロレタリア文学同盟を結成し、朝鮮文学建設本部から分離しました。

さらなる分裂をもたらしたのは、朝鮮プロレタリア文学同盟が形成された後のことで、彼らは芸術活動を強化するために、朝鮮音楽同盟、朝鮮美術同盟、朝鮮プロレタリア演劇同盟、朝鮮映画同盟を結成し、連携を強めました。これにより、朝鮮文学建設本部はさらなる圧力を受けることになります。

最後には、1945年12月13日に朝鮮文化建設中央協議会と朝鮮プロレタリア芸術同盟が合併し、朝鮮共産党の支援のもと、朝鮮文学同盟を結成しました。この合併の過程では、延安から帰国した金台俊が指導的役割を果たしました。これにより、朝鮮文学建設本部はその役割を終え、韓国文学の新しい時代が始まることとなりました。朝鮮文学建設本部の歴史は、戦後の韓国における文化的変革の一環として、重要な意味を持っています。

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