朝鮮海峡海戦

朝鮮海峡海戦

朝鮮海峡海戦は、1950年6月25日から26日にかけて、朝鮮戦争の初期段階で発生した海戦です。この海戦は、北朝鮮軍による韓国侵攻作戦中に、兵員輸送船と韓国海軍の駆潜艇との間で繰り広げられました。

背景

1950年6月25日、北朝鮮は大規模な韓国侵攻を開始し、朝鮮戦争が勃発しました。北朝鮮海軍は、この侵攻作戦において、兵員の輸送任務を担っていました。その中で、アメリカ製の1000トン級の汽船が、第766独立歩兵連隊の約600名の兵士を乗せ、釜山付近への上陸を試みました。この汽船は機関銃で武装していました。

戦闘の経過

6月25日早朝、韓国海軍の駆潜艇「白頭山」が、釜山から約18マイルの地点で、単独航行中のこの北朝鮮の汽船を発見しました。「白頭山」は、韓国海軍が初めて保有した戦闘艇であり、元々はアメリカ海軍のPC-461級駆潜艇でした。第二次世界大戦後、練習船として使用されていましたが、1949年に韓国海軍に売却されました。

「白頭山」は、まず信号灯で汽船にコンタクトを試みましたが、応答はありませんでした。次に、探照灯を点灯したところ、汽船から「白頭山」の船橋に向けて銃撃が始まりました。この攻撃で操舵手が戦死し、当直士官が重傷を負いました。

これに対し、「白頭山」は3インチ高射砲と6門の.50口径機関銃で反撃を開始しました。被弾した北朝鮮の汽船は逃走を試みましたが、「白頭山」の追撃により、対馬沖で沈没しました。

戦闘の結果と影響

当時、釜山は重要な拠点と見なされていましたが、防備は十分ではありませんでした。もしこの北朝鮮の汽船が上陸を成功させていれば、釜山が陥落する可能性もありました。この偶発的で小規模な海戦は、結果として韓国軍に大きな戦略的利益をもたらしました。

この海戦は、朝鮮戦争において最初に展開された水上戦であり、韓国軍にとっては重要な勝利となりました。韓国では、この海戦を大韓海峡海戦と呼んでいます。

参考文献

Rottman, Gordon (2001), Korean War Order of Battle: United States, United Nations, and Communist Ground, Naval, and Air Forces, 1950–1953, Westport, Connecticut: Praeger Publishers, ISBN 978-0-275-97835-8

関連項目

[[朝鮮戦争]]
* 注文津港海戦 - 朝鮮海峡海戦と同様に、朝鮮戦争中に発生した数少ない海戦の一つです。

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