朝鮮軍人

朝鮮軍人とは

朝鮮軍人（ちょうせんぐんじん）とは、1911年から1946年までの間に存在した大日本帝国陸軍の軍人の一分類であり、主に日韓併合後に旧大韓帝国軍に属していた軍人を指します。この呼称は、日本の領土となった朝鮮での朝鮮人陸軍軍人を指すものではなく、旧大韓帝国の軍人に特有の身分を描写しています。

背景

1907年に日本と韓国の間で結ばれた第三次日韓協約によって、大韓帝国軍は多くの部隊が解散しました。しかし、1910年の日韓併合時には、依然として相当数の韓国軍人が在職していました。これらの韓国軍人は、朝鮮総督府の設立に伴い、一般の日本陸軍軍人と同様の扱いを受けました。

当初は「旧韓国軍人ニ関スル件」という勅令が適用されましたが、これはあくまで暫定的なものであり、1911年に「朝鮮軍人ニ関スル件」が制定されました。これにより、1946年まで朝鮮軍人としての地位が確立され続けました。

朝鮮軍人の地位

1920年には「朝鮮軍人を陸軍将校同相当官に任用等に関する件」という勅令が施行され、朝鮮軍人の中で将校やそれに相当する官位の者は自動的に一般の陸軍将校に任命されることになりました。一方で、下士卒は引き続き朝鮮軍人としての地位を保ちました。

特に朝鮮軍人は、旧大韓帝国陸軍時代の階級を維持し、特異な待遇を受けていました。王公族附の武官や朝鮮歩兵隊、朝鮮騎兵隊に従事していた事が多く、著名な朝鮮人陸軍軍人である李王垠や洪思翊は朝鮮軍人には該当しませんでした。

人数と階級

1910年9月の時点では、旧韓国軍人として上述の駐箚軍司令部や憲兵司令部に多くの将校が在籍していました。これには親衛府附の将校や、駐箚軍司令部附の各級の軍人が含まれます。

大正9年の勅令により、多くの朝鮮軍人が一般の陸軍将校に転任しました。特に、将官となった者には李秉武や趙東潤がいます。さらに、朝鮮王公族の中には儀礼的に将官礼遇を受けている者たちも存在しました。

結論

朝鮮軍人という身分は、日本の統治下における复杂な歴史的背景を反映しています。彼らの存在は、当時の社会政治的状況を理解する上で重要な要素となるでしょう。日韓併合以降の軍制度や、旧大韓帝国軍人の位置づけを探ることで、当時の国際関係や文化的な変遷を捉える手助けにもなります。朝鮮軍人は単なる軍人の枠を超え、歴史の中で特異な役割を果たしていたことが伺えます。

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