木下俊定

木下 俊定（きのした としさだ）

木下俊定は、安土桃山時代に活躍した武将で、岡山藩の家臣として知られています。彼は従五位下の信濃守に任ぜられ、小出吉政（大和守）の養子としても名を連ねています。彼の名は小出俊定とも呼ばれることがあります。

生い立ちと初期の経歴

俊定は、木下家の四男として生まれました。『木下家譜』によれば、母は雲照院とされている一方で、『寛政重修諸家譜』では別の氏名が記載されています。こうした記録の違いは、当時の複雑な家系と相互関係を反映しています。

若い頃から豊臣秀吉に仕官し、彼の信任を受けて丹波国内で1万石の所領を与えられました。この地での経験は、俊定の武将としての基盤を築く上で重要な役割を果たしました。

関ヶ原の戦い

慶長5年（1600年）、関ヶ原の戦いが勃発すると、俊定は小出秀政や吉政と共に西軍へ加わり、大津城の戦いへと進出します。この戦いは、俊定にとって大きな戦闘経験となりましたが、戦闘後には改易を受け、彼の所領は没収されてしまいます。しかし、茶道や礼儀作法において意義深い貢献をした家臣の大槻小右衛門には、俊定自身から感状が与えられています。

晩年と死

戦後、俊定は弟の秀秋の岡山藩に仕官し、備前国内に移ることになります。ここでは和気郡などの地域において、5,000石の知行を受け持ちました。彼の軍功や貢献は岡山藩において評価され、一定の地位を保つことができました。

しかし、慶長7年（1602年）10月15日、俊定は病に倒れ、わずか43歳で亡くなります。その際の法名は慈徳院叟林幻化とされています。

参考文献と評価

俊定の生涯や業績は、桑田忠親の『太閤家臣団』や、堀田正敦編の『寛政重修諸家譜』などで確認できます。彼の戦歴や岡山藩における貢献は、現在でも多くの研究者によって取り上げられており、歴史上の重要な人物の一人として位置づけられています。俊定の人生は、武士としての忠誠や戦の厳しさを色濃く示すものであり、当時の社会情勢や武士のあり方を考える上でも大変興味深いものとなっています。

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