木下俊量

木下俊量：日出藩を支えた藩主の生涯

木下俊量（きのした としかず）は、江戸時代前期から中期にかけて豊後国日出藩の第4代藩主を務めた人物です。寛文12年（1672年）に生まれ、享保14年（1729年）に58歳で亡くなるまで、藩政に尽力しました。彼の生涯は、藩主としての職務だけでなく、文化的な貢献や治水事業の成功など、多岐にわたる活動によって彩られています。

生涯

天和元年（1681年）に初めて将軍徳川綱吉に拝謁し、貞享3年（1686年）には従五位下式部少輔に叙任されました。宝永4年（1707年）には父である木下俊長の隠居により家督を継ぎ、右衛門大夫に改めます。その後も正徳2年（1712年）に右衛門佐、享保14年（1729年）には伊賀守へと官位を改めました。

文化的な功績

正徳5年（1715年）には、京都御所の女御御殿が火災に見舞われた際の普請造営に貢献し、その功績が認められました。内裏に招かれて伊勢物語など十巻を賜り、江戸でも褒美を受けるなど、文化的な面でも高く評価されています。また、享保4年（1719年）には日出若宮八幡神社に鳥居を寄進するなど、領内の文化振興にも力を注ぎました。

藩政における貢献

藩政においては、長河原・富水池の治水工事を成功させ、領民の生活安定に貢献しました。これらの治水事業は、当時の日出藩にとって重要な課題であり、俊量のリーダーシップと実行力によって見事に解決されました。

死後

享保14年（1729年）11月13日に死去し、跡は六男の俊在が継ぎました。法号は徳音院、墓所は東京都港区高輪の泉岳寺にあります。

系譜

父：木下俊長（1649-1716）
母：朽木稙綱の娘
正室：加藤明英の長女
長女：相良長興正室
次男：萬千代 - 早世

まとめ

木下俊量は、日出藩の藩主として、治水事業の成功や文化振興への貢献など、多岐にわたる業績を残しました。彼の生涯は、藩主としての責任を果たしつつ、文化的な素養も兼ね備えた人物であったことを物語っています。その功績は、今日においても日出藩の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

参考文献
堀田正敦『国立国会図書館デジタルコレクション 寛政重脩諸家譜. 第7輯』國民圖書、1923年、178-179頁。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082721/100
* “木下家譜　（豊後日出）”. 東京大学史料編纂所. 2023年3月12日閲覧。

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