木戸川 (千葉県)

木戸川の詳細

木戸川は、千葉県北東部の九十九里平野中央部を流れる、全長21.5kmの二級河川です。成田市本城の調整池を水源とし、南東方向に流れて太平洋に注ぎます。この地域は、歴史的な遺産と豊かな自然が共存する場所として知られています。

地理

木戸川は、成田市本城の調整池から流れ出し、山武郡芝山町との境界をなぞるように流れます。その後、芝山町内を縦断し、いくつかの小支流を合わせながら、横芝光町・山武市の境界へと進みます。山武市内に入ると、周辺には芝山古墳群や山室姫塚古墳などの史跡が点在しています。柴原付近で谷津を抜け九十九里平野へと流れ込みますが、市街地は少なく、水田地帯の中をゆったりと流れていきます。川の両岸には畝が高く、水生植物が豊富に生息しており、自然豊かな景観が広がります。緑海橋を過ぎると、九十九里浜にたどり着き、太平洋へと注ぎます。河口付近は、西側が白幡海水浴場、東側が南浜海水浴場となっており、木戸川がその境界となっています。なお、流路延長21.5kmのうち、芝山町牧野付近より下流の20.9kmが二級河川に指定されています。

木戸川は、かつては定まった名称がなく、地域によって田越川、借毛新井川などと呼ばれていましたが、その中で木戸川という名称が最も広く使われるようになりました。

治水

木戸川は、1966年（昭和41年）から広域河川改修事業が開始され、JR総武本線橋梁から小松大橋までの4km区間で拡幅や堤防整備が行われました。1972年（昭和47年）以降は、周辺の土地改良事業と並行して、小松大橋より下流の区間や中流域の整備も進められ、1997年（平成9年）までに全ての工事が完了しました。その後、2009年（平成21年）にJR総武本線橋梁上流120mの両岸で築堤嵩上げ工事が行われましたが、それ以降は大規模な工事は行われていませんでした。

2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災では、九十九里平野の中央に位置する木戸川は周辺の河川よりも大きな被害を受けました。飯岡海岸の防潮堤を乗り越えた津波が、8km上流の田越橋付近まで遡上し、河口付近では5箇所で堤防が決壊し、甚大な洪水被害をもたらしました。中流部でも護岸が崩落するなど、整備状況の甘さが露呈しました。この被害を受け、同年7月上旬から河口から緑海橋までの733.6mについて、堤防を1m嵩上げする工事が行われ、2014年（平成26年）3月までに完了しました。同時に、周辺の未利用地を避難道路等に活用する施策も進められています。内陸地域では、2009年の築堤嵩上げに続き、上流部に向けての整備が進められています。

環境保全

環境保全の面では、1992年（平成4年）5月に「美しい木戸川を守る会」が設立され、啓蒙活動や清掃活動が継続的に行われています。これにより、木戸川の環境が守られています。

主な橋

木戸川には多くの橋が架かっており、地域の人々の生活を支えています。主な橋には以下のようなものがあります。

川津場橋 - 国道296号
小池橋 - 千葉県道45号八日市場八街線
明治橋
松葉橋 - 千葉県道116号横芝山武線
首都圏中央連絡自動車道
古和橋 - 千葉県道112号成田成東線
古和1号橋
古和5号橋
古和4号橋
金尾1号橋
金尾2号橋
弁天橋 - 千葉県道22号千葉八街横芝線
加勢橋
大蔵橋
田越橋
新田越橋 - 国道126号
JR総武本線橋梁
六万部橋
中台橋
栄橋
小松大橋
折戸橋
木戸橋 - 千葉県道122号飯岡片貝線
緑海橋 - 千葉県道30号飯岡一宮線

まとめ

木戸川は、千葉県北東部を流れる重要な河川であり、その流域は歴史的な史跡と自然豊かな景観が広がっています。治水対策や環境保全活動も活発に行われており、地域住民の生活と密接に関わっています。震災による被害からの復旧を経て、現在もより安全で美しい河川を目指して整備が進められています。

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