木曜クラブ

木曜クラブについて

木曜クラブ（もくようクラブ）は、かつて存在した自由民主党の派閥であり、一般的には田中派と呼ばれています。この派閥の起源は、旧自由党の吉田派から佐藤派（周山会）につながっており、名目上の会長として西村英一や二階堂進が存在したものの、実際の権力は田中角栄が握っていました。田中は自民党を離党した後もこの木曜クラブを通じて日本の政治に強い影響を及ぼし続けました。

田中派の創設

木曜クラブは1972年7月7日に、田中角栄が内閣総理大臣に就任した際に正式に設立されました。田中は沖縄返還協定の発効と佐藤栄作首相の引退を利用し、派閥を結成するクーデター計画を実行しました。この集まりには、佐藤派の102人の中から衆参両院合わせて81人が参加し、田中派の結成が明確になりました。

複雑な派閥の構成

田中派の構成は多様で、盟友とされる幹部には橋本登美三郎や木村武雄、久野忠治などが名を連ねており、会長には西村英一、副会長に二階堂進、江崎真澄などがいました。特に田中は、公共事業に強い関与を持つ族議員を多く抱えており、自らの派閥を「総合病院」と例えるほどの力を誇っていました。これは地方自治体の要望を処理するための暗黙の同意にもつながりました。

ロッキード事件と派閥の動揺

1976年、田中と幹部の橋本がロッキード事件の関与により逮捕され、この事件は田中派に大きな影響を与えました。田中は自民党から離党し、無所属の立場に移行しましたが、それでも派閥の首領としての影響力を保持し続けました。この事件を背景に、派閥内では強固な団結が示され、離脱者は出ませんでしたが、反対の立場を取る者には厳しい目が向けられました。

派閥名の変遷と成長

1980年に木曜クラブへの改名が行われ、会長は二階堂進に受け継がれました。田中は積極的な派閥の拡大を図り、旧中間派や無派閥議員を次々と取り込んでいきました。この時期、田中派の議員数は増加し、1983年には118名に達しました。田中派は政治的影響力を強め、自民党内での位置づけを不動のものとしました。

分裂と新たなグループの形成

1984年には、内部での対立が激化し、竹下派、木曜クラブ、さらに中立系の3つのグループに分かれる事態となりました。この分裂は、田中の独自の総裁候補を持ちたくない心理が影響しているとも言われ、竹下登が派中派の「創政会」を立ち上げたことで対立はさらに深まりました。この結果、党内は複雑な派閥構成となり、影響力の保ち方が大きく変わることとなりました。

木曜クラブの終焉

1990年代に入ると、木曜クラブは徐々に機能を失い、最終的には独立勢力を維持することが難しくなりました。その結果、田中角栄の政治的影響力と木曜クラブはその時代を閉じることとなりました。田中政治は時代の波にさらされ、かつての力を失っていくこととなりました。

このように、木曜クラブは日本の政治史の中で特異な存在として長い期間にわたり影響を及ぼし、その後の自民党における派閥政治のあり方を大きく形成しました。

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