木曽ダム

木曽ダムの概要

木曽ダム（きそダム）は、長野県の木曽川水系に位置する重力式コンクリートダムで、関西電力が管理しています。このダムは、おもに木曽発電所と寝覚発電所への水供給を担い、効率的な水力発電を実現しています。ダムは木曽町福島にあり、王滝川を横断する形で築造されています。1972年の完成以来、地域のエネルギー供給の重要な役割を果たしています。

ダムの基本情報

木曽ダムは、基礎岩盤からの堤高が35.2メートルで、堤頂長は132.5メートル、堤体積は約44,750立方メートルです。ダムには3基のラジアルゲートが設置され、洪水時の調整も行われています。ダム湖はその総貯水量436万7000立方メートルを誇り、その一部は揚水式水力発電所である三尾発電所に使用されます。

発電所の役割

木曽ダムは、木曽発電所と寝覚発電所の2つの発電所の水を供給しています。木曽発電所はダムより下流に位置し、最大出力11万6000キロワットを持つことが特徴です。この発電所の導水路は全長約14.88キロメートルで、5本の圧力トンネルで構成されています。発電所は地下式で、安定した発電を行うための工夫がされています。

寝覚発電所は、木曽ダムよりも早く建設されたもので、こちらもダムから水を取水し、発電に貢献しています。これらの発電所により、木曽ダムから供給される水量は合計で1万5,100キロワットに達します。

建設の背景

木曽川では、1930年代から昭和戦前期にかけて、電力会社による水力発電所の開発が進みました。この流れを受けて、関西電力は戦後の発電力増強を目指し、ダムと発電所の再開発を進めました。木曽ダムの建設は、特に渇水期の発電能力を向上させるための重要なプロジェクトと位置付けられていました。

発電の技術

木曽ダムは、最新の技術を用いた水力発電を実現しています。具体的には、発電所に至る導水路に圧力トンネルを用い、水の流れを効率的に利用できるように設計されています。これにより、発電所では最大出力を確保できるようになっています。

環境への配慮

木曽ダムの建設にあたっては、周辺環境への配慮も重要視されました。ダムによる環境への影響を最小限に抑えるため、生態系への影響評価や適切な工事が行われました。また、発電所から放流される水量についても、周辺の生態系に配慮しつつ運用が行われています。

結論

木曽ダムは、長野県における重要なエネルギー供給源であり、近代的な水力発電所の役割を果たしています。水資源の効率的な利用とともに、森林や川の保全にも寄与する次世代の発電所として、今後の発展が期待されています。

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