木曽川町(きそがわちょう)
木曽川町は、かつて
愛知県葉栗郡に存在した
町です。2005年(平成17年)に
一宮市に編入され、現在は
一宮市の一部である
木曽川町連区となっています。この地域は、
木曽川によって
岐阜県と接し、名古屋市と岐阜市の中間に位置しています。
地理
木曽川町は
愛知県の西北端に位置し、西を流れる
木曽川が
岐阜県との境界となっています。この地理的特徴から、
町内には
伊吹おろしと呼ばれる冬の季節風が吹くことがあります。交通の要所でもあり、JR
東海道本線や
名鉄名古屋本線が南北に縦断しているほか、北東部には名岐バイパス(
国道22号)、
一宮市との境界付近には
東海北陸自動車道の一宮
木曽川インターチェンジがあります。
歴史
町村制施行
1889年(明治22年)の
町村制施行に伴い、周辺の村々が合併しました。この際、現在の
木曽川町域では、黒田村、門間村、内割田村、外割田村、三ツ法寺村、曽根村が合併して黒田村となり、里小牧村と玉ノ井村はそれぞれ単独で村となりました。黒田村はその後、1894年(明治27年)に黒田
町となっています。
1906年(明治39年)には、大規模な
町村合併が行われ、黒田
町(大字曽根を除く)、里小牧村、玉ノ井村が合併して新たな黒田
町となりました。大字曽根の区域は北方村と合併して北方村となっています。この合併は
愛知県の諮問を受けたもので、玉ノ井では中島郡奥
町への編入を望む住民の声がありましたが、最終的には黒田
町との合併が決定されました。
町名が「
木曽川町」となったのは1910年(明治43年)のことです。これは、1906年の合併時に
町名変更が検討されたものの実現せず、
木曽川の架橋工事完了を機に再度議題に上がり、
木曽川駅と同じ「
木曽川」という名称が採用されました。
木曽川は
町と
岐阜県の境界であり、この名称は地域経済にも有利に働くと考えられました。
太平洋戦争後、周辺の
市町村が
一宮市に編入される中で、
木曽川町は単独で存続しました。このため、
木曽川町は
一宮市に囲まれた形となりました。2004年には、住民の直接請求による合併に関する住民投票が行われ、その結果、2005年に
一宮市に編入されることとなりました。
木曽川町内にあった
木曽川中学校は、
一宮市編入後も学区の再編が行われず、
一宮市内で最大の生徒数を誇る中学校となっています。
年表
1886年(明治19年)6月:
木曽川停車場が開業。
1889年(明治22年)10月1日:
葉栗郡曽根村、黒田村、門間村、内割田村、外割田村、三ッ法寺村が合併し、黒田村となる。
1891年(明治24年)10月28日:
濃尾地震により甚大な被害を受ける。
1894年(明治27年)12月27日:黒田村が黒田
町となる。
1906年(明治39年)5月10日:北方村と黒田
町大字曽根が合併して改めて北方村に、黒田
町、里小牧村、玉ノ井村が合併して改めて黒田
町となる。
1910年(明治43年)2月11日:黒田
町が
木曽川町に改称。
1960年(昭和35年)
12月20日:
町章を制定。
2000年(平成12年)9月11日:
東海豪雨で被害。
2005年(平成17年)4月1日:
尾西市と共に
一宮市に編入。
行政
編入時の
町長は山口昭雄氏でした。
経済
木曽川町では、かつて繊維産業が盛んでしたが、時代とともに衰退しました。1997年に一宮
木曽川インターチェンジが完成すると、周辺には倉庫業や運送業の施設が増加しました。また、かつて県下最大の生産量を誇ったタマネギボウズ畑は、住宅や商業施設へと姿を変えています。アピタ
木曽川店、イオンモール
木曽川、
平和堂木曽川店などの大型商業施設が進出し、イオンモール
木曽川には
一宮市唯一の
シネマコンプレックスであるTOHOシネマズ
木曽川があります。
娯楽
かつては帝国劇場、
木曽川銀座劇場、
木曽川東映といった映画館が存在しました。
姉妹都市
岐阜県の萩原
町(現在の飛騨市の一部)と姉妹都市提携を結んでいました。
教育
木曽川町内には高等学校はありませんでした。
愛知県立
木曽川高等学校は、隣接する
尾西市に所在していました。
中学校
木曽川町立
木曽川中学校
小学校
木曽川町立
木曽川東小学校
木曽川町立黒田小学校
木曽川町立
木曽川西小学校
交通
鉄道
町内の中心駅はJR
木曽川駅と名鉄
新木曽川駅です。利用者数は名鉄の方が若干多いですが、名古屋や岐阜へのアクセスはJRの方が運賃、所要時間ともに有利です。ただし、列車の停車本数は名鉄の方が多いという特徴があります。
JR東海
東海道本線:
木曽川駅
名古屋鉄道
名古屋本線:
新木曽川駅、黒田駅
尾西線:
玉ノ井駅
道路
南北の道路は比較的整備されていますが、東西の交通は遅れています。
東海北陸自動車道と並行する
愛知県道148号萩原三条北方線以外は、鉄道と
平面交差しています。
高速道路
東海北陸自動車道:一宮
木曽川IC(所在地は
一宮市)
一般国道
国道22号名岐バイパス
主要地方道
愛知県道14号岐阜稲沢線
一般県道
愛知県道147号西萩原北方線
愛知県道148号萩原三条北方線
愛知県道175号江南
木曽川線
愛知県道181号光明寺
木曽川停車場線
愛知県道190号名古屋一宮線
愛知県道193号大垣江南線
通信
郵便
木曽川郵便局
ケーブルテレビ
アイ・シー・シー
電気・ガス
電気は
中部電力、都市ガスは東邦瓦斯(
東邦ガス)が供給していました。
衛生
医療
木曽川町立
木曽川病院(現:
一宮市立
木曽川市民病院)
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
一豊まつり(8月上旬)
木曽川町消費生活展(10月下旬)
商工まつり(11月上旬)
ジョギング&歩け歩け大会(12月上旬)
黒田城城址
すずめのお宿
郷土資料館
川合玉堂生誕碑
沢井公屋敷跡
山内盛豊、十郎父子の墓
法蓮寺
加茂神社
出身有名人
山内一豊(戦国大名)
川合玉堂(日本画家)
山口恵照(哲学研究者)
田中恭一(
メニコン創設者)
丹下桜(声優)
葛谷由香里(2005年ミス・ユニバース・ジャパン)
脚注
参考文献
木曽川町史編集委員会 編『
木曽川町史』
木曽川町、1981年11月1日。
飯田汲事「明治24年(1891年)10月28日
濃尾地震の震害と震度分布」『
東海地方地震・津波災害誌』
飯田汲事教授論文選集発行会、1985年11月20日。
東邦瓦斯株式会社社史編集委員会 編『東邦瓦斯50年史』東邦瓦斯、1972年6月26日。
関連項目
愛知県の廃止
市町村一覧
外部リンク
一宮市
木曽川町の主な出来事
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