木曽平沢駅

木曽平沢駅：山間の静寂と漆器祭りの賑わい

木曽平沢駅は、長野県塩尻市大字木曽平沢に位置する東海旅客鉄道（JR東海）中央本線の駅です。周囲は山々に囲まれた静かな環境にあり、日常はのどかな雰囲気に包まれています。駅舎は1960年竣工の鉄骨造りで、現在は無人駅として管理されています。ホームは相対式2面2線で、列車の交換が可能です。駅舎とホームは跨線橋で結ばれています。

しかし、この静かな駅は、毎年6月上旬に活気に満ち溢れます。それは、地域を挙げて開催される「木曽漆器祭り」の期間中だからです。この祭り期間中は、通常は停車しない特急「しなの」の一部列車が臨時停車し、多くの観光客が訪れます。JR東海の社員が臨時で駅業務を行い、乗降客の対応に当たります。また、臨時快速列車も停車するため、普段とは異なる賑やかな光景が広がります。

木曽平沢駅の開業は1930年（昭和5年）6月5日。当初は列車交換ができない構造でしたが、1959年（昭和34年）12月に交換駅化され、駅舎も移転されました。貨物取扱は1972年（昭和47年）に廃止され、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止されました。そして、1985年（昭和60年）3月22日には無人駅となりました。国鉄分割民営化後も、JR東海の駅として現在に至っています。

駅名の「木曽」は、開業当時、魚沼線に平沢駅が存在したため、区別するために付けられたものです。駅周辺は、塩尻市に合併される前の旧楢川村の中心地であり、駅を中心に小さな集落が形成されています。商店なども点在し、生活の拠点として機能しています。国道19号は駅より一段高い位置を通っています。

駅周辺には、塩尻市役所楢川支所、道の駅木曽ならかわ、木曽漆器館などの施設があります。交通手段としては、塩尻市地域振興バスや重伝建周遊バス（季節運行）が利用可能です。これらのバスは駅前に停車するため、周辺観光へのアクセスにも便利です。

木曽平沢駅は、日常は静かな山間の駅ですが、年に一度の漆器祭りの際には賑わいを見せる、対照的な魅力を持つ駅です。その静寂と活気、そして歴史を感じさせる駅舎は、旅の思い出に残るひとときを提供してくれるでしょう。 周辺には、木曽漆器の歴史や文化に触れられる施設もあり、観光拠点としても魅力的な場所となっています。 また、青空フリーパスを利用した中央西線の旅の東端の駅としても知られています。隣の駅は、贄川駅と奈良井駅です。

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