奈良井駅

奈良井駅：標高934m、JR東海最高地点の駅

長野県塩尻市奈良井町にあるJR東海中央本線の奈良井駅は、JR東海管内において最も標高の高い駅として知られています。その標高は934m、東京スカイツリー（634m）をも超える高さです。駅舎は、開業当時の木造建築をそのまま残し、歴史を感じさせる趣のある佇まいとなっています。宿場町の雰囲気に溶け込むよう、随所に手入れが加えられ、古き良き日本の駅舎を象徴する存在です。

歴史と変遷

奈良井駅は、1909年（明治42年）1[[2月1日]]に中央東線の塩尻～奈良井間延伸に伴い開業しました。当初は旅客と貨物の両方を扱っていましたが、1972年（昭和47年）に貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止され、1985年（昭和60年）からは無人駅となっています。国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日からは、JR東海の駅として運営されています。中央東線が中央本線に改称されたのは1911年（明治44年）5月1日のことです。開業から現在まで、駅舎は木造のまま大切に維持管理されており、その歴史の長さを物語っています。

駅構造と設備

奈良井駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅です。木曽平沢方単線、藪原方複線の交換可能駅であり、留置線と跨線橋を備えています。かつてはホーム南端と駅舎間に構内踏切がありましたが、跨線橋の設置により現在は廃止されています。現在もその名残が見られる箇所があります。木曽福島駅の管理下にある簡易委託駅です。

利用状況と周辺環境

奈良井駅は、旧中山道奈良井宿の玄関口に位置しています。駅周辺には、観光客向けの駐車場も整備されていますが、特急列車の停車は、さわやかウォーキングなどのイベントに合わせた臨時停車が主であり、毎週末運行ではない臨時快速列車「ナイスホリデー木曽路」も利用できるのは限られています。そのため、鉄道を利用した観光客の数は多くありません。

駅周辺には、歴史的建造物が多く残る奈良井宿があり、多くの観光客が訪れます。駅舎からほど近い場所には、C12形蒸気機関車199号機が展示されています。かつて駅裏には奈良井営林署貯木場があり、奈良井川沿いに奈良井森林軌道（黒川軌道）が敷設されていましたが、昭和29年の水害により休止、その後廃止され、トラック輸送へと移行しました。軌道の跡は、奈良井ダムの湖底となっています。また、2019年3月7日には、歩行者用踏切が開通しました。

アクセス

奈良井駅へは、以下の交通手段が利用できます。

塩尻市地域振興バス楢川線
重伝建周遊バス（季節運行）
中央高速バス塩尻・木曽福島線（国道19号線沿いの奈良井宿バス停）

隣の駅

東海旅客鉄道（JR東海）中央本線
* 木曽平沢駅 - 奈良井駅 - 藪原駅

その他

奈良井駅は、JR東海の駅の中でも特に高い標高にある駅として有名です。その高さを示す張り紙が駅構内に掲示されています。また、周辺には、木曽の大橋や道の駅奈良井木曽の大橋などの観光スポットもあります。歴史と自然に囲まれた、魅力的な駅です。

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