木村万里

木村万里（きむら まり）

1948年生まれの木村万里は、演芸ライブプロデューサー、お笑いライター、編集者として知られています。富山県で生まれ、大阪で育ちました。一人っ子として育った彼女は、20歳の時に立川談志の落語に衝撃を受け、上京を決意します。

キャリア初期

上京後、久保田宣伝研究所（現宣伝会議）を経て、コピーライター、フリーライターとして活動を開始しました。特に落語を中心としたお笑い関連のコラムを数多くの新聞や雑誌に執筆し、その才能を発揮しました。

ライブプロデュース

木村万里は、立川志の輔のライブに携わる一方で、「まり共和国」「絹産業」「渦産業」といった名義で、小規模な自主企画の会を定期的に開催しました。成城ホール、北沢タウンホール、清瀬けやきホールなどでの落語会の企画や、株式会社夢空間の落語会制作にも携わるなど、ライブを大切にした活動を行いました。彼女の独自の選択眼と細やかな配慮は、出演者と観客からの厚い信頼を得ていました。

玉川奈々福は木村万里について、「道なき道を単独で歩む『まつろわぬ』芸人を応援してきた」と評しており、彼女の活動が既成の枠にとらわれない芸人を支えるものであったことを示唆しています。

その他の活動

木村万里は、出版や編集の分野でも幅広く活動しました。「花王名人劇場」の小冊子や書籍編集に携わり、立川談志から紹介された山本益博との縁で仕事に関わったとされています。また、雑誌「東京かわら版」の創刊から平成初期にかけて編集を担当しました。

その他にも、「柳昇ギャルズ」の中心メンバー、「けしかけ女の会」名義で立川談志のレコードを制作、お笑いフリーペーパー「笑っていーもんかどーか」の編集・発行（1993年～1997年）など、多岐にわたる活動を展開しました。

「笑っていーもんかどーか」では、書き手としてサンキュータツオを見出すなど、若手を発掘する才能も持ち合わせていました。毎日新聞や毎日新聞東京版でコラムを執筆（1996年～2011年）し、大学落研時代の春風亭一之輔を高く評価した記事を掲載しています。

さらに、「落語立川流家元秘蔵コレクション」のリスト作成・整理責任者を務め、毎日新聞webのコラム「誘っていーもんかどーか」（2011年～2015年）を執筆、NHK DVD BOX「昭和名人芸大全」「昭和達人芸大全」の企画協力（監修：神津友好）にも携わりました。

その他、月刊シアターガイドでのコラム執筆、土曜ワイドラジオTOKYOでの「笑いの案内人」、ぴあアプリの水先案内人（2018年～2020年）などを担当、芸術選奨・芸術選奨新人賞（大衆芸能部門）の推薦委員（2010年～2011年）も務めました。俳句にも親しみ、駄句駄句会のメンバーとして「寝ん猫」の俳号を持っていました。

活動休止

2019年から2020年頃より、木村万里は活動を休止しています。

主な活動一覧

花王名人劇場 小冊子・書籍編集
雑誌「東京かわら版」編集
「柳昇ギャルズ」中心メンバー
「けしかけ女の会」名義で立川談志「やらせろ」レコードを制作
自主企画ライブ「お席亭さんシリーズ」「渦」
お笑いフリーペーパー「笑っていーもんかどーか」編集・発行
毎日新聞・毎日新聞東京版コラム
「落語立川流家元秘蔵コレクション」リスト作成・整理責任者
まいまいクラブ（毎日新聞web)コラム「誘っていーもんかどーか」
NHK DVD BOX「昭和名人芸大全」「昭和達人芸大全」企画協力
月刊シアターガイド コラム執筆
土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界 「笑いの案内人」
ぴあアプリ水先案内人
芸術選奨・芸術選奨新人賞（大衆芸能部門）推薦委員
駄句駄句会メンバー

外部リンク

まりしろ - 公式サイト
渦産業木村万里 (@uzumarishiro) - X（旧Twitter）
ぴあ水先案内人 木村万里

これらの情報から、木村万里が演芸界、特に落語の世界において、独自の視点とプロデュース能力で多大な貢献をしてきたことがわかります。また、その活動は、単なるイベントプロデュースに留まらず、新たな才能の発掘と育成にも力を入れていたことが伺えます。

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