玉川奈々福

玉川 奈々福（たまがわ ななふく）のプロフィール

玉川奈々福は、日本の浪曲師であり、曲師としても知られる。彼女は、神奈川県横浜市に生まれ、清泉女学院中学高等学校を卒業後、上智大学文学部を卒業。その後、新潮社のアルバイトや筑摩書房の編集者としての経験を積んだ。筑摩書房では、著名な落語家志ん朝の落語編集に携わるなど、幅広いバックグラウンドを持っています。1994年には日本浪曲協会が運営する浪曲三味線教室に参加し、曲師の道を歩み始めました。

2001年に師匠の二代目玉川福太郎の推薦を受けて浪曲師としての修業を始め、現在の芸名「玉川奈々福」に改名した2006年からは、各地で披露興行を行い、名実ともに浪曲界の重要な存在となっています。2012年には日本浪曲協会の理事に就任し、2013年からはNHK東西浪曲大会や浪曲の特集番組にも出演するなど、その活動は多岐にわたります。

活動内容

2023年時点で、玉川奈々福は浪曲師としての公演を中心に活動する一方、曲師としての役割にも取り組んでいます。主に日本浪曲協会が主催する木馬亭などの公演に出演しており、自身の独演会や各種浪曲イベントのプロデューサーとしても活躍しています。演目は古典浪曲だけでなく新作も多く、様々なジャンルとのコラボレーションを通じて新しい浪曲の形を追求しています。たとえば、能楽師の安田登と共に夏目漱石の作品を口演したり、他のジャンルの芸能とのクロスオーバー企画も行っています。

音楽的な交流にも尽力し、琵琶、篠笛、尺八などの楽器との共演を通じて、伝統的な日本の語りを新たな視点で表現しています。また、一般向けの浪曲講座も開講し、浪曲を広める活動にも力を入れています。

舞台での活動

彼女の初舞台は2001年11月でそれ以来、浅草の木馬亭でネタおろしの単独勉強会を実施しつつ、様々な公演に参加しています。特に、2014年からは渋谷ユーロライブにて定期公演「渋谷らくご」にも出演しており、現代と古典が交差する新たな浪曲のスタイルを提示しています。2018年には、文化庁文化交流使として海外での公演にも訪れ、7ヵ国で浪曲を紹介するという貴重な経験をしました。

弟子とユニット活動

玉川奈々福は、数名の弟子を持ち、特に弟子の玉川奈みほは浪曲界でも注目されていましたが、2024年に高座名を返上して他の流派に移籍しました。また、彼女は多くのユニット活動も行っており、曲師の沢村豊子や他の若手浪曲師たちと共に“浪曲乙女組！”や“三味線ユニット『しゃみしゃみいず』”などを結成し、新たなスタイルの浪曲を発信しています。

文化交流とメディア活動

さらに、玉川奈々福は文化互交流にも積極的で、インターネットラジオや大学での講義、テレビドキュメンタリーへの出演なども行っています。彼女の取り組みは、浪曲だけでなく日本の古典芸能全体の振興にも寄与しています。

まとめ

玉川奈々福の活動は、ただ浪曲を演じるだけにとどまらず、様々なジャンルとのコラボレーションを通じて新たな表現を模索しています。彼女の努力は、浪曲の魅力を広げるだけでなく、伝統芸能全体の活性化にも貢献していると言えるでしょう。

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