木村和士

木村和士：カナダで輝く騎手の道

木村和士（きむら かずし、1999年9月6日生まれ）は、日本の北海道浦河町出身の騎手で、現在はカナダを拠点に活躍しています。彼の身長は163cm、体重は48kgです。

来歴

木村は競馬界に身を投じる環境の中で成長しました。父は浦河町で競走馬の育成を行う「No.9ホーストレーニングメソド」を経営しており、彼は幼少期から兄の影響を受けて乗馬に親しんできました。兄の木村拓己は若い頃から競技で輝かしい成績を残し、競馬学校にも通っていました。一方で、和士自身もジョッキーベイビーズに出場し、少しずつ競馬界への名刺となるキャリアを積んでいったのです。

若干の挫折を重ねながらも、2015年に競馬学校の第34期生として入学。しかし、2017年には自主退学を決意します。その理由についてはあまり詳しく語られていませんが、後のインタビューで「自分が未熟だった」と述べています。この退学後の経験が、彼にカナダ移住を決意させることになりました。

カナダに渡った木村は、滞在中にさまざまな現地経験をしています。最初は職業訓練的な意味合いでウッドバイン競馬場で調教の手伝いを行い、エージェントのジョーダン・ミラーに才能を見出されました。2018年5月28日、彼はカナダの騎手免許を取得し、ウッドバイン競馬場でデビューを果たします。

デビューから13戦目で初勝利を挙げた木村は、その年だけで104勝を達成し、カナダの競馬表彰であるソヴリン賞の最優秀見習騎手賞を受賞しました。2019年には148勝をマークし、カナダのリーディング3位に輝き、さらにアメリカのエクリプス賞の最優秀見習騎手賞も手に入れました。

特筆すべきは、2019年9月にエリザベス2世の所有馬に騎乗することで、日本人騎手として初の記録を残しました。2020年にはG1レースでの初優勝を果たし、他の重賞でも成功を収めていきます。2021年には日本人初のカナダリーディングジョッキーに輝き、その後も数年にわたりカナダのリーディングタイトルを保持しました。

2023年には、アメリカ競馬にも本格的に挑戦を開始。デルマー競馬場で開催されたデルマーデビュタントステークスで2番人気馬に騎乗し、ハナ差で勝利を収めました。これにより、米国GⅠレースでの勝ち星は2つ目となり、彼のキャリアの広がりを示す結果となりました。

エピソード

同期の騎手、山田敬士は木村について、「彼は本当に優秀だった。騎乗姿勢や追い方が特に目を引いた」と述べています。当時の教官もその技術を高く評価しています。

木村は将来的には短期免許を取って日本に戻る意欲を見せていますが、基本的には北米の競馬スタイルを好んで続ける意向を持っています。

主な騎乗馬

木村が手掛けた主な騎乗馬には以下のようなものがあります。

• - Lady Grace: 2020年ロイヤルノースステークスG2
• - Gretzky the Great: 2020年サマーステークスG1
• - Field Pass: 2020年オンタリオダービーG3
• - Artie’s Princess: 2020年ベスアラビアンステークスG2
• - Corelli: 2021年シングスピールステークスG3

木村和士の今後の活躍に期待がかかります。彼の道のりは、これからも多くのファンに希望や感動を与えることでしょう。

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