木村庄之助 (17代)

17代木村庄之助

概要

17代木村庄之助（じゅうしちだい きむら しょうのすけ、1863年1月30日 - 1924年7月18日）は、大相撲界に名を刻む立行司です。本名は浪花、後に酒井兵吉と名乗りました。出身地は徳島県徳島市です。

幼少期と入門

木村庄之助は徳島市で、浪花徳丸の六男として誕生しました。幼少期から相撲の行司に憧れ、子供相撲で行司を務めるなど、早くからその道に親しんでいました。1869年、大阪相撲の力士である藤見崎の勧めで、竹縄部屋に入門します。当初は木村兵丸を名乗りました。

東京相撲への移籍

木村は1885年に東京相撲に移籍し、15代庄之助に師事します。彼の行司としてのキャリアは、この東京で大きく前進し、1886年1月には初代木村玉治郎から指導を受けます。1887年には幕内格、1901年には三役格、1905年には紫白房に昇格し、影響力を増していきました。

立行司としての名声

1911年には10代式守伊之助を襲名し、翌年には17代木村庄之助を名乗ります。彼は初めて式守伊之助を継承した木村庄之助として、その名を広めました。非常に高い技術と見識を持ち、泉林八（22代庄之助）に「1度の差し違えもなかった名行司」と称賛されました。

辞職と影響

しかし、大正10年5月に行われた横綱大錦と前頭5枚目の鞍ヶ嶽戦で、誤って鞍ヶ嶽に軍配を挙げ、差し違いが認められる事態となります。この結果を受けて、木村庄之助は自身の行司としての責任を重く受け止め、即日辞職を申し出ました。周囲の慰留にもかかわらず、彼は意思を貫き、53年間の行司生活に終止符を打ったのです。辞職後には行司の装束や軍配を後輩に配り、去って行きました。

晩年と死

1924年7月18日、彼は大阪市で病気のため63歳で亡くなりました。彼の墓は東京の法照寺にあります。木村庄之助は明治・大正期の名行司として多くの栄誉を受けており、明治天皇から短刀を、蜂須賀旧藩主から木盃を、島津候から短剣と肩衣を贈られたことでも知られています。相撲協会は1964年に西本願寺和田堀廟所に彼の功績を称える記念碑を建立しました。

遺産と弟子

彼の弟子には19代伊之助がいます。木村庄之助の存在は、相撲界において重要な影響を与えただけでなく、後進の指導にも大きく寄与しました。その名声は今日まで脈々と受け継がれています。

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