木村庄之助 (28代)

28代木村庄之助の生涯と業績

28代木村庄之助（きむら しょうのすけ）は、大相撲界において著名な立行司の一人です。1928年12月15日、山形県鶴岡市で生まれ、本名は後藤悟（ごとう さとる）です。彼は旧姓が赤松（あかまつ）であり、1947年からは式守松男として大相撲の世界に身を投じました。

彼の行司としてのキャリアは、名行司として知られる松翁20代木村庄之助から入門したことに始まります。実に9歳という若さで初土俵を踏み、木村松尾として注目を浴びます。彼は「豆行司」と呼ばれ、子供たちや観客からの人気を集めました。松翁の養子となり、彼の死後は22代庄之助の預かり弟子として成長しました。

1949年に媒出てきた式守林之助の名を名乗り、その後1951年に2代木村林之助を襲名し、1972年から始まった行司抜擢制度によって1974年には三役格に昇格します。この昇格により、場内アナウンスも担当し、初優勝を果たした北の湖の表彰式を行いました。そして1984年には立行司としての地位を確立し、25代式守伊之助を襲名します。

1991年には28代木村庄之助として姿を現し、1993年に現役を引退します。彼はそのキャリア中、曙という新横綱を特に可愛がり、相撲だけでなく日本の文化や心構えについても指導しました。そのスタイルや土俵上での所作は非常に美しかったため、彼は「平成の名行司」と称されています。

2010年4月1日、千葉県にて81歳で死去しましたが、彼の影響は後世に受け継がれています。特に控えの際のさまざまな表情や、力の入った取組を見つめる姿勢は、多くの人々に記憶されています。

また、彼の行司業の明るさや称号が話題となり、松翁の称号を贈る声も上がりましたが、最終的には贈られませんでした。しかし、「28代庄之助が『松翁』を贈られていないのはおかしい」という意見も少なくありません。

晩年は相撲協会を退職後、各種の座談会や対談に参加し、相撲界の発展に尽力しました。彼が残した著書には、無気力相撲に対する危機感や改善への提言が綴られています。

木曽町立中学校には、庄之助自身の揮毫が刻まれた記念碑が設置され、彼の教えが今でも生徒たちに受け継がれています。彼の生涯と功績は大相撲の歴史において、色濃く刻まれています。

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