木村庄之助 (35代)

35代木村庄之助 (きむら しょうのすけ)

木村庄之助、本名内田順一、1946年10月29日生まれの立行司は、大相撲で重要な役割を果たしてきました。彼は宮崎県延岡市に生まれ、幼少期から相撲への情熱を抱き、初代若乃花の大ファンでした。この情熱が行司になる原動力となり、相撲の世界に身を投じることを決意します。

経歴の始まり

1962年、彼は松恵山が在籍していた立浪部屋に入門し、初名「木村順一」として相撲界の一員となりました。入門当初は行司部屋という独立した生活を送り、日々の生活の中で兄弟子の世話をしながら成長しました。初土俵から22年後、彼はようやく足袋を履けるようになり、その瞬間は大きな喜びであったと述べています。

行司としての活躍

1970年代初頭から彼は幕内の取組における場内アナウンスを担当し、その明瞭で力強い声は観客に強く印象づけられました。1972年の北の富士が全勝優勝した際には、その取組から表彰式までをアナウンスし、場内の雰囲気を高めました。特に彼の滑舌の良さと響き渡る声は、相撲を観るファンにとって楽しみの一つとなっていました。

1984年には十両格行司に昇進し、各名場面に立ち会いながら数々の歴史的瞬間を演出しました。たとえば、1988年の大乃国戦では、横綱千代の富士が53連勝に挑む重要な場面で裁きを行いました。この試合は昭和最後の一番としても記憶されています。

立行司への昇格

2007年5月、木村庄之助は立行司に昇格し、37代式守伊之助を襲名します。彼は宮崎県出身の初めての立行司として高く評価され、知事からの祝辞を受け取る場面もありました。2008年には35代木村庄之助を襲名し、再び多くの注目を浴びるようになります。初めて庄之助として土俵に上がった際には、特別な装束での登場が話題となりました。

引退後

2011年9月に停年退職を迎えた後も、彼は相撲に関心を持ち続け、健康的な生活を送っています。行司としての独特なかけ声や、優れた裁きは、多くの相撲ファンと後輩行司たちに支持され、記憶に残っています。

逸話

木村庄之助の生涯には、多くのエピソードがあります。彼は1980年の行司時代に、行司の服装の一部が破損し、別の行司の軍配を借りて勝負を裁いた経験があります。さらに、コロナ禍の前に行ったちゃんこ店での偶然の再会が彼の心に深く残っています。特に、彼は他の行司と異なるかけ声を使い、観客に愛される存在でした。

彼の功績と精神は、相撲界においていつまでも語り継がれるでしょう。

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