木村恵吾

木村 恵吾: 日本映画の先駆者

木村恵吾（きむら けいご）、1903年6月19日に静岡県三島市に生まれ、1986年1月20日に亡くなった日本の映画監督・脚本家である。彼はサイレント[[映画]]の時代に脚本家として活動を開始し、その後映画監督としても多大な影響を与えた。特に1940年に発表したオペレッタ映画『狸御殿』は、以降の日本映画に大きな影響を及ぼした作品とされている。

人物・経歴

木村は早稲田大学附属早稲田高等学院（現在の早稲田大学高等学院）を中退後、1926年に日活大将軍撮影所に入社。その年に、伊奈精一監督によるサイレント[[映画]]『神田の下宿』で初めて脚本が映画化され、正式に脚本家としてのキャリアをスタートさせた。続く同年には、彼の2作目の脚本『都の西北』も映画化され、俳優としての渡辺邦男が出演していたことが後の映画界の話題となった。この撮影所では、1929年までに計11本の脚本を映画化されるなど、木村は確かな実力を示していた。

1930年、木村は帝国キネマ演芸に移籍し、そこで中野英治主演の『若き血に燃ゆる者』で監督デビューを果たした。この作品では、自ら脚色した原作を基にした新たな演出スタイルを見せ、評判を得た。その後も数作の監督を務める中で、1931年からは新興キネマ京都太秦撮影所で活動を続けた。

1940年に彼は、紀元二千六百年を祝うための大作『国姓爺合戦』を監督し、成功を収める。これが木村にとっての転機となり、次第に彼の名は広まり、1942年には大日本映画製作（現在の大映）に所属となった。同年には、オリジナル脚本によるオペレッタ映画『歌ふ狸御殿』が大ヒットし、その成功を収めた。

戦中・戦後の活動

1943年には召集され戦地に赴くが、戦争が終わると1945年に復職し、市川右太衛門主演の映画『紅顏鼓笛隊』で映像制作に復帰した。終戦後、大映京都撮影所に戻った木村は、1949年の『花くらべ狸御殿』でアシスタントの京マチ子を起用し、彼女の売り出しにも成功を収めた。1950年代には、新[[東宝]]や宝塚映画、東京映画でも作品を手掛け、新たな挑戦を続けた。

1955年には、木村監督の京マチ子主演『千姫』が第8回カンヌ国際映画祭でパルムドールにノミネートされ、国際的にもその名が知られることとなった。この時期、彼のスタイルや映画作りにおける独創性が評価され、業界内外から注目を集める存在となった。

1965年に大映を退社した後は、テレビ番組の演出も手掛けるが、徐々に映画界からは遠ざかり、後に引退の道を選ぶ。1986年に82歳で胃癌のため亡くなった木村の映画に対する情熱や影響力は、今も多くの映画製作者に受け継がれている。

主なフィルモグラフィー

木村恵吾の代表作には、以下の作品が含まれる：

• - 神田の下宿（監督：伊奈精一、日活大将軍撮影所、1926年）
• - 若き血に燃ゆる者（帝国キネマ演芸、1930年）
• - 国姓爺合戦（新興キネマ、1940年）
• - 歌ふ狸御殿（大映京都撮影所、1942年）
• - 千姫（1954年）

彼の業績と独自の作風は、今日の日本映画界にもなお影響を与え続けている。

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