木村由信

木村由信（きむら よしのぶ）は、安土桃山時代に活躍した武将であり、大名としても知られています。諱は重広、あるいは重則とも伝えられ、宗左衛門という通称で呼ばれていました。彼は卓越した剣術の腕前を持っていたことでも知られています。

由信は、豊臣秀次の補佐役を務めていた木村重茲の家老として、6000石を知行していました。しかし、文禄4年（1595年）に秀次が連座事件により自刃を命じられ、重茲も改易となると、由信は豊臣秀吉の直臣となりました。これにより、美濃国北方（現在の岐阜県北方町周辺）、および越前国内で1万石を拝領し、北方城主として新たな地位を築きました。慶長3年（1598年）には、長束正家の監督下で越前国の検地に赴いています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、由信は西軍に属し、伏見城の戦いに参陣しました。その後、美濃国の大垣城二の丸を守備する重要な役割を担いました。福島正則のいる尾張国清州城へ使者として派遣されましたが、開城交渉は不調に終わりました。関ヶ原の本戦で西軍が敗北した後、由信は共に大垣城を守備していた相良長毎、秋月種長・高橋元種兄弟らの裏切りに遭い、熊谷直盛、垣見一直らと共に謀殺されるという悲劇的な最期を迎えました。この時、息子の伝蔵豊統も父と共に斬られています。

木村由信の生涯は、豊臣政権下での栄光と、関ヶ原の戦いを経ての悲劇的な結末が入り混じった、波乱に満ちたものでした。彼は剣術の達人であると同時に、主君に忠義を尽くした武将として、その名を歴史に刻んでいます。

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