高橋元種

高橋元種について

高橋元種は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将であり、大名です。日向国（現在の宮崎県）の縣藩（のちの延岡藩）の初代藩主として知られています。彼は、戦国大名・秋月種実の次男として生まれましたが、後に高橋鑑種の養子となりました。

生涯

元亀2年（1571年）、筑前（現在の福岡県）の戦国大名であった秋月種実の次男として誕生しました。天正6年（1578年）に高橋鑑種の養子となり、高橋家を継承します。天正15年（1587年）には、豊臣秀吉による九州征伐を受け、秀吉に降伏しました。その結果、日向国縣（現在の延岡市）に5万3,000石の領地を与えられ、大名としての地位を確立します。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、兄である秋月種長とともに西軍に属し、大垣城に籠城しました。しかし、本戦で西軍が敗北すると、水野勝成の勧めにより、東軍に内応し、同じく籠城していた相良頼房を誘って、城内で熊谷直盛、垣見一直、木村由信・木村豊統父子らを殺害するという行動に出ました。その後、大垣城守将の福原長堯を降伏させ、徳川家康から所領を安堵されました。戦後は、縣城の築城などを行い、藩政の基礎固めに尽力しました。縣城は現在の延岡城であり、現在の延岡の街の基礎を築いた人物としても知られています。

しかし、慶長18年（1613年）10月24日、幕府の命令により改易処分を受けます。これは、富田信高と坂崎直盛の対立に巻き込まれ、坂崎直盛の甥である坂崎左衛門が出奔した際に、元種が彼を匿ったことが理由とされています。元種は、長男の左京と共に、陸奥棚倉藩主の立花宗茂に預けられることになりました。その後、縣藩は一時幕府の預かりとなり、豊後臼杵藩の稲葉家と肥後人吉藩の相良家の管理下に置かれました。

慶長19年（1614年）10月9日、棚倉にて44歳で亡くなりました。

経歴

天正15年（1587年）8月5日：豊臣秀吉により日向国の大名配置が行われ、元種は土持院300町など1,787町を宛がわれる。
天正15年（1587年）11月：豊前国香春岳城から縣松尾城へ入城。
天正19年（1591年）9月27日：家老の甲斐宗摂の協力を得て中山城に拠る三田井親武を征服し、高千穂地方を支配下に置く。その後、岩戸大野原亀山城、河内鬼頭山城を落城させる。
文禄元年（1592年）4月12日：文禄の役で毛利吉成指揮下の第四軍として朝鮮に渡り、慶尚道金海に上陸。島津義弘とともに漢城まで侵攻する。
文禄3年（1594年）：石田三成による検地で、高橋元種の領地は5万3,000石となる。
慶長3年（1598年）：慶長の役に出陣。延岡兵600名を含む日向国全体の兵2000名が黒田長政指揮下の第三軍に編入される。
慶長5年（1600年）9月：関ヶ原の戦いでは西軍に属するも、大垣城守備中に東軍に寝返り、所領を安堵される。
慶長6年（1601年）：縣城（現在の延岡城）の建設に着工。
慶長8年（1603年）：縣城が完成。その後、城下町の建設に着手。
慶長14年（1609年）8月：領内に潜伏していた猪熊教利を捕縛し、京へ護送（猪熊事件）。

系譜

父：秋月種実
母：田原親宏長女
養父：高橋鑑種
正室：宇喜多忠家の娘

生母不明の子女

長男：高橋一斎（?-1684） - 左京（後に一斎）と名乗り、初め棚倉藩の立花家に、次いで陸奥二本松藩の丹羽家に仕え、子孫も代々丹羽家に仕えた。
次男：高橋種直（1607-?） - 長吉、七郎右衛門と名乗り、薩摩島津家に仕え、後の鹿児島高橋家の祖となる。
* 女子：かね - 本多内蔵介室。後に立花宗茂の養女となり、矢島重武に嫁ぐ。

高橋元種は、戦国時代から江戸時代へと移り変わる激動の時代を生き抜き、その生涯は多くの出来事に彩られています。特に、関ヶ原の戦いでの寝返りや、その後の改易など、波乱に満ちた人生を送った武将として知られています。

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