木村重茲

木村重茲（きむら しげこれ）

木村重茲は、安土桃山時代に活躍した武将であり、豊臣氏の家臣として仕えました。別名として定光、重隆、重高を名乗り、通称は隼人正、常陸介です。また、茶人としても名高く、千利休の弟子であり、台子七人衆の一人にも数えられています。

生涯

木村重茲は、木村定重の子として生まれました。元亀元年（1570年）の金ヶ崎の戦いでは、木下秀長（後の豊臣秀長）の配下として、蜂須賀正勝、前野長康、加藤光泰に次ぐ武功を挙げたとされています。天正11年（1583年）に父が亡くなると家督を継ぎ、同年の賤ヶ岳の戦いでは羽柴秀吉（後の豊臣秀吉）方として参戦し、近江国堂木山砦の守将を務めました。天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いにも参加し、その功績が認められ、天正13年（1585年）には秀吉から越前国府中（現在の福井県越前市）に12万石を与えられました。

その後も、天正15年（1587年）の九州征伐、天正18年（1590年）の小田原征伐にも参戦し、小田原征伐では豊臣軍の先鋒を務め、武蔵国岩槻城攻略で武功を挙げました。奥州仕置では出羽国の検地を担当し、葛西大崎一揆の鎮圧においても豊臣秀次に従って活躍しました。この頃から秀次の家老となり、文禄元年（1592年）の文禄の役では、3,500の兵を率いて朝鮮へ渡海しました。

これらの武功が秀吉に認められ、山城国淀18万石に加増移封されました。しかし、文禄4年（1595年）に豊臣秀次事件が発生すると、秀次を弁護したことから、秀吉によって秀次の与党とみなされ、連座の罪に問われました。同年7月15日（8月20日）、摂津国茨木の大門寺において自害を命じられ、悲劇的な最期を遂げました。大門寺には血染めの経帷子が保存されており、常陸大明神と記された墓碑が残されています。

重茲の長男である木村高成（重武、重光、志摩守）も法花堂で切腹させられ、首をさらされました。また、娘も磔に処されたと伝えられています。戒名は常照院殿重高大居士。墓所は大阪府茨木市の大門寺です。

重茲の子である木村重成（異説あり）は、幼少であったため罪を問われることなく、後に豊臣秀頼の家臣として仕え、慶長20年（1615年）の大坂夏の陣で戦死しました。

また、朝鮮出兵時の国内最前線であった肥前国名護屋城には、「木村重隆陣屋跡」が残されており、発掘調査によってトイレ遺構などが確認されています。

系譜

父：木村定重
母：不詳
室：宮内卿局（?-1615） - 青木俊矩の娘
長男：木村高成（?-1595）
男子：木村重成（1593?-1615?）
生母不明の子女
女子
男子：村井重盛?
男子：篠原重之

脚注

関連項目

淀古城
木村氏
豊臣秀次
大崎長行 - 元家臣

外部リンク

名護屋城／木村重隆陣屋跡

もう一度検索