木村竹香

木村竹香

木村竹香（きむら ちっこう、1868年 - 1943年）は、日本の近代篆刻家として知られています。本名は政平。

生涯

新潟県新潟市に生まれ、篆刻家としての道を歩み始めます。当初は大江萬里に師事しようとしましたが叶わず、東京で中井敬所に師事しました。1年後には、敬所から「香」の字を授けられ「竹香」と号しました。その後、新潟に戻り、版木屋を営む傍ら篆刻家として活動。その技術は萬里も認めるほどでした。妻はマス。

竹香は詩文や骨董にも造詣が深く、風流人としても知られていました。しかし、知人の借金保証が原因で家財を没収され、蒐集した骨董品を全て失うという苦難も経験しています。会津八一に気に入られ親交を深めました。

同郷の山田寒山とは親しく、十六羅漢の印の制作を依頼されました。この十六羅漢は陶土で作られ、紫檀の箱に収められました。箱の扉には、五世浜村蔵六が書いた「金石結縁 瓦礫放光」の文字が刻まれ、竹香がそれを篆刻しました。永平寺の監院である星見天海が開眼式を行った際には、大きな評判を呼びました。

次男の正平は寒山の娘婿となり、後に東京へ移住。長男の軍平と三男の幸平は北洋漁業に従事するため函館に移り住みました。竹香は一人暮らしを心配した息子たちに呼ばれ函館へ移住しますが、長年住み慣れた新潟を忘れられず帰郷。回向院（新潟県新潟市西区）の副住職となりました。古希を迎えた1936年には、自らの葬式代わりに寿筵を催しました。その後、再び北海道へ渡り、1943年に77歳で没しました。

業績

竹香は篆刻家として数々の作品を制作しましたが、特に『羅漢印譜』の編集・刊行は、篆刻界において重要な業績として評価されています。

編集・刊行物

『羅漢印譜』
『瓦礫放光』
『金石結縁』

参考文献

神野雄二「日本印人研究 : 山田正平の生涯と芸術(I)」『熊本大学教育学部紀要 人文科学』第52巻、熊本大学教育学部、2003年11月、148-134頁

関連項目

* 日本の篆刻家一覧

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