山田正平

山田正平

山田正平（やまだ しょうへい、1899年2月1日 - 1962年8月16日）は、明治から昭和にかけて活躍した篆刻家であり、その作品は「昭和の代表的篆刻家」と称えられています。新潟県新潟市に生まれ、本名を正平としました。字や号も正平の他、一止・一止道人・幾盦（幾庵）などの号を用いていました。

生涯

1899年、篆刻家である木村竹香と母マスの次男として、新潟市古町通四番町に生を受けました。幼少の頃から芸術に触れる機会に恵まれ、15歳で新潟県新潟中学校を卒業後、父と親交のあった会津八一の知遇を得ます。会津八一没後には、その墓碑銘を刻みました。

16歳で上京し、山田寒山の娘婿となり、書を滑川澹如に学んだとされています。19歳で漢学私塾の二松學舍（現在の二松學舍大学）に入学し、三島中洲に漢学を学びました。実業家の堤清六の援助を受け、20代の頃に2度中国へ遊学。河井荃廬の紹介で呉昌碩に篆刻や画を学び、また徐星州からも指導を受けました。これらの中国での経験が、彼の篆刻家としての才能を大きく開花させるきっかけとなりました。

小川芋銭との出会いも彼の芸術観に影響を与えました。晩年には、自らの師を山田寒山と河井荃廬であると述べ、寒山とともに印聖と称された高芙蓉の正統を継承する者として、自らの篆刻芸術を位置づけました。文人画風の墨絵にも才能を発揮し、中川一政とも交流がありました。

東京学芸大学で講師を務めるなど、後進の育成にも尽力しました。1962年8月16日に逝去。戒名は萬象院永楽一止居士。墓所は東京都多磨霊園にあります。

作品

山田正平は数多くの印譜を残しており、代表的なものとして以下が挙げられます。

『栴檀二葉香印譜』 大正3年
『正気印譜』 大正6年 序文：滑川澹如
『羅漢印譜』 昭和2年
『八僊印譜』 昭和2年
『正平陶磁印譜』
『一止廬印存』

これらの印譜は、彼の篆刻技術の高さと芸術性を сегодня に伝えています。

評価

山田正平は、日本の篆刻界において重要な役割を果たした人物として高く評価されています。中国での研鑽を通じて得た知識や技術を基に、独自の篆刻様式を確立し、多くの人々に影響を与えました。彼の作品は、現在でも多くの人々に愛され、篆刻の歴史における重要な遺産となっています。

参考文献

高畑常信『日本の遊印 : 篆刻名品選』木耳社、1983年。ISBN 4839313768。
神野雄二「日本印人研究 : 山田正平の生涯と芸術(I)」『熊本大学教育学部紀要 人文科学』第52巻、熊本大学教育学部、2003年。

外部リンク

山田正平 - 20世紀日本人名事典 / デジタル版 日本人名大辞典+Plus - コトバンク
山田正平 - 歴史が眠る多磨霊園 - 小村大樹

もう一度検索