木村荘十

木村荘十について

木村荘十（きむら そうじゅう）は、1897年1月12日に東京府で生まれました。彼は牛鍋チェーン店「いろは」の経営者、木村荘平の妾腹の十男として、東京市深川区にある「いろは」第7支店で生を受けました。しかし、彼の幼少期は波乱に満ちていました。4歳のとき、実母が愛人と共に失踪し、その影響で彼は東京市浅草区の吉原日本堤にある「いろは」第9支店に預けられます。その後、育ちは裏の家に移りました。

彼は慶應義塾大学に入学しましたが、早期に中退しました。学業を断念した後、異母兄である第2代木村荘平との不和が生じたことで、骨董店の店員として働くことになります。そしてその後、彼は政治家の愛人と密通し、共に満州へ渡るという波乱万丈な人生を送りました。その後、新聞記者としての生活や出版社の経営にも携わります。満州では久しぶりに実母と再会したものの、彼女の死に際に立ち会うこととなりました。

帰国後は小説の執筆に専念することに決め、1932年には、作品『血縁』でサンデー毎日大衆文芸賞を受賞しました。さらに1941年には小説『雲南守備兵』で直木賞を受賞し、その才能を広く認められることとなります。

木村の著作は多岐にわたり、特徴的なテーマを扱っています。重要な作品としては、自伝的要素を含む『嗤う自画像』や、多くの大衆小説が挙げられます。彼の異母姉である木村曙や異母兄の木村荘太も作家として活躍し、さらに異母兄の木村荘八は画家、異母弟の木村荘十二は映画監督としても知られています。

主な著書には、以下の作品があります：

• - 『楽土哀史・国境』 新鋭大衆小説全集 第15巻（アトリエ社、1937）
• - 『赤道海流』（富士出版社、1940）
• - 『成瀬一等兵曹』（博文館、1941）
• - 『大地は轟く』（大都書房、1942）
• - 『ベンガル土民兵』（大都書房、1942）
• - 『美しき海戦』（興亜日本社、1942）
• - 『嗤う自画像』（雪華社、1959）
• - 『黄金地獄』（桃源社、1960）
• - 『庖丁太閤記 - 調理師界の王将 小泉皓一郎伝』（鏡浦書房、1966）

木村荘十は1967年5月6日に亡くなりましたが、その作品は今でも多くの読者に愛され続けています。彼の文学は、複雑な人生経験を反映し、様々な視点から人間の感情や社会を描写しています。

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