末吉中継局

末吉中継局について

末吉中継局は、鹿児島県曽於市末吉町にあるテレビとFMラジオ放送の中継局です。高之峯に位置し、鹿児島県を放送対象地域とする各放送局が施設を設置しています。

概要

この中継局は、曽於市末吉町と財部町を主な送信エリアとしており、曽於市大隅町、鹿屋市輝北町、霧島市福山町の一部地域でも受信が可能です。宮崎県との県境に近い場所に位置しているため、隣接する宮崎県都城市や三股町では、鹿児島県のテレビ放送を受信するためにUHFアンテナを設置する世帯も少なくありません。実際、宮崎日日新聞の番組表では、アナログ放送終了まで末吉中継局のチャンネルが「都城」のチャンネルとして掲載されていました。

しかし、送信アンテナは宮崎県方面には設置されていないため、県境に近い一部地域を除いては放送区域外とされています。都城市街地など区域外で良好に受信するためには、高性能アンテナの利用や地元のケーブルテレビ局への加入が必要です。

FMラジオに関しては、NHK鹿児島放送局のみが末吉中継局を設置しており、民放のエフエム鹿児島は設置していません。ただし、曽於市周辺では、宮崎県のエフエム宮崎の電波を受信することが比較的容易です。

送信設備

中継局の施設は、南側から順に「民放のデジタル中継局とKTS/KYTのアナログ中継局」、「NHK（テレビ）のデジタル中継局とNHK（テレビ）・MBC/KKBのアナログ中継局」、「NHK-FM放送の中継局」が並んでいます。

デジタルテレビ放送

デジタルテレビ放送は、2008年8月29日に予備免許が交付され、同年10月1日に本免許が付与されました。試験放送は同年9月18日から開始され、10月6日に本放送が開始されました。

アナログテレビ放送

アナログテレビ放送は、1965年12月16日にNHKとMBCの中継局が開局したのが始まりです。その後、KTS、KKB、KYTも中継局を設置しました。しかし、2011年7月24日にアナログ放送が終了したため、これらの施設は運用を終えています。

VHF局（NHKとMBC）は、鹿児島市の城山にある鹿児島本局からの電波を、UHF局は鹿屋中継局からの電波を曽於市大隅町の大隅中継局を経由して中継していました。ただし、アナログ放送の末期には、NHK総合とMBCは大隅中継局経由のルートと鹿児島本局からのルートを併用していました。UHF局が鹿屋・大隅中継局経由であったのは、鹿児島本局と末吉中継局の間に桜島があり、直接受信が困難だったためです。また、MBCが設置した中継局としては、初めてUHF帯を使用した中継局でした。

FMラジオ放送

FMラジオ放送は、NHK-FM放送の中継局のみが設置されています。エフエム鹿児島については、鹿児島本局やその他の各中継局から遠距離受信する必要があります。しかし、全国ネット番組に限れば、エフエム宮崎でも聴取が可能です。

脚注

参考文献

『鹿児島テレビ10年史』 鹿児島テレビ放送、1980年。
『全国テレビジョン・FM・ラジオ放送局一覧』 NHKアイテック、2002年。
『MBC50年の軌跡』 南日本放送、2004年。
『鹿児島県財部・薩摩川内・末吉・伊集院・吉松・種子島地区の地上デジタルテレビジョン放送局に予備免許』 九州総合通信局、2008年8月29日。
『無線局等免許情報検索』 総務省、2008年8月29日閲覧。

関連項目

鹿児島親局テレビ・FM放送所 - 鹿児島県のテレビ・FM局の親局（送信所）に関する説明です。NHKと南日本放送（アナログ放送）は城山の送信所を受信中継局としています。
隼人ラジオ放送所 - 鹿児島県のAM局の親局の説明です。
大隅中継局 - 曽於市大隅町にあるテレビ中継局です。アナログテレビ放送では、NHK教育テレビを除いて大隅中継局からの電波を中継していました（NHK総合テレビとMBCは鹿児島親局と併用）。

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