末広町 (横浜市鶴見区)

末広町（すえひろちょう）

概要

末広町は、神奈川県横浜市鶴見区の南部に位置する町名です。鶴見川の左岸河口付近に広がり、1丁目と2丁目に分かれています。この地域は、住居表示が未実施であり、全域が工場や事業所などの産業用地として利用されているため、人口はゼロです。

地理と交通

末広町は、鶴見区の南部に位置し、面積は2.305km²です。町内を東西に走るJR鶴見線の弁天橋駅付近の水路を境に、西側が1丁目、東側が2丁目となっています。南側は海に面し、東側は旭運河を挟んで安善町、西側は鶴見川を挟んで生麦二丁目と大黒町、北側は鶴見線を境に小野町や弁天町と接しています。

交通の要所でもあり、神奈川県道6号東京大師横浜線（産業道路）が通り、鶴見川を渡る鶴見大橋が架かっています。また、その上部には首都高速神奈川1号横羽線の高架橋が通っています。JR鶴見線には、町内に浅野駅、新芝浦駅、海芝浦駅があり、隣接する弁天町には弁天橋駅が設けられています。さらに、川崎鶴見臨港バスが鶴見駅東口と1丁目南部、川崎駅東口と2丁目を結ぶ路線バスを運行しています。

歴史

末広町の歴史は、1914年から1915年頃に鶴見埋立組合によって埋め立てが開始されたことに始まります。1916年に1丁目の一部、1922年に2丁目に相当する部分が竣工しました。1916年10月15日には、神奈川県橘樹郡町田村字末広という地名が付けられました。この「末広」という名前は、鶴見埋立組合創業者の浅野総一郎の家紋に由来しています。

町田村は1923年に潮田町に改称され、1925年には鶴見町に編入されました。1927年に横浜市に編入され、同年10月には区制施行により横浜市鶴見区末広町となりました。

主要な企業の進出

1916年には浅野造船所（現在のジャパン マリンユナイテッド横浜事業所鶴見工場）と旭硝子（現在のAGC）、1917年には浅野合資会社製鉄部（現在のJFEスチール東日本製鉄所）が操業を開始しました。関東大震災では工場が火災に見舞われるなどの被害を受けましたが、1925年には芝浦製作所（現在の東芝京浜事業所）が開設されました。

1926年には鶴見臨港鉄道が開通し、1930年には鶴見駅まで延伸しました。1932年には浅野駅と新芝浦駅を結ぶ支線が開通し、1940年には海芝浦駅まで延伸しました。この鶴見臨港鉄道は、後に国鉄鶴見線となり、現在はJR東日本が運営しています。

その後の発展

第一次世界大戦後の不況対策として、1929年から1932年にかけて1丁目の南部がさらに埋め立てられました。この土地には芝浦工作機械（現在の芝浦機械）や鶴見曹達（現在の東亞合成）などが進出しました。2丁目には、昭和に入り協同国産自動車（現在のいすゞ自動車）が工場を設立しました。

第二次世界大戦中の空襲被害は少なかったものの、一部の工場は米軍に接収されました。1995年には、横浜市環境事業局鶴見工場が稼働を開始し、1996年には余熱を利用した温水プールや温室を備えた高齢者保養研修施設「ふれーゆ」がオープンしました。

2000年には理化学研究所横浜研究所が発足し、2001年には横浜市立大学鶴見キャンパス生命医科学研究科が開設されるなど、研究施設も集積しています。2017年には、旭硝子の敷地内にユーグレナによるバイオジェット燃料実証プラントが建設される予定です。

事業所

経済センサスによると、末広町には多くの事業所が存在します。事業所数と従業員数は変動しており、産業活動が活発に行われていることがわかります。

その他

郵便

郵便番号は230-0045で、鶴見郵便局が管轄しています。

警察

町内の警察管轄区域は、鶴見警察署によって守られています。

まとめ

末広町は、横浜市の重要な産業地域であり、その歴史は埋め立て事業から始まり、多くの企業や研究施設が立地しています。交通の便も良く、都市活動を支える重要な役割を担っています。

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