本久寺 (墨田区)

本久寺（ほんきゅうじ）

本久寺は、東京都墨田区にある日蓮宗の寺院です。この寺は、歴史的に重要な人物である平岡円四郎の墓があることで知られています。平岡円四郎は、幕末に活躍し、後に実業家となる渋沢栄一を幕臣として引き立てた人物です。

歴史

本久寺は、戦国時代末期に清眼院日有によって開山されました。創建年については、複数の記録があり、それぞれ異なる年を伝えています。『寺社書上』では1571年（元亀2年）、『江戸名所図会』では1575年（天正3年）とされています。寺の伝承では1585年（天正13年）が創建年とされています。

本久寺が所蔵する祖師（日蓮）像は、日蓮の高弟である日朗が首を、日法が胴体を造ったと伝えられています。この像は、元々は谷中感応寺（現在の天王寺）に安置されていましたが、当時の感応寺が不受不施派に属していたため、幕府の弾圧を受け天台宗寺院へと転宗することになりました。その際、この祖師像は本久寺に移されたとされています。この出来事は、当時の宗教政策と、宗派間の複雑な関係を物語るものと言えるでしょう。

交通アクセス

本久寺へのアクセスは、以下の通りです。

最寄駅: 浅草駅
徒歩: 浅草駅から徒歩約8分

まとめ

本久寺は、創建から今日に至るまで、地域の人々に親しまれてきた寺院です。平岡円四郎の墓がある場所として、また、歴史的な祖師像を所蔵する寺院として、その存在は墨田区の歴史と文化を語る上で重要な役割を果たしています。

参考文献

* 小島惟孝 著『墨田区史跡散歩 (東京史跡ガイド7)』学生社、1993年

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