日朗

日朗（にちろう）

日朗は、鎌倉時代に活躍した日蓮宗の僧侶で、日蓮六老僧の一人として知られています。筑後房、大国阿闍梨とも呼ばれ、日朗門流、池上門流、比企谷門流の祖として、その教えは現代にまで受け継がれています。下総国出身で、父は平賀有国です。

生涯

1261年、日蓮に師事し仏法を学び始めました。1271年には、日蓮が流罪となった際、日朗も土牢に幽閉されるという苦難を経験します。1274年には、佐渡に流されていた日蓮のもとへ8度も訪れ、赦免状を携えて佐渡に渡るという、師への忠誠心を示す行動をしました。1282年には、池上宗仲の協力を得て、池上本門寺の基礎を築きました。また、1309年には、千葉胤貞の妻から土地の寄進を受け、本土寺を建立するなど、寺院の建立にも尽力しました。1320年、安国論寺で荼毘に付され、法性寺に葬られました。

日朗ゆかりの寺

日朗は、三長三本という寺院群を定めました。これは、山号に「長」、寺号に「本」が付く3つの寺院で、日朗が1309年正月に著した置文によって定められたものです。

長興山妙本寺（神奈川県鎌倉市）：相模国に位置する寺院です。
長谷山本土寺（千葉県松戸市）：下総国に位置する寺院です。
長栄山本門寺（東京都大田区）：武蔵国に位置する寺院です。

また、三長三本に長久山本成寺を加えた「四長四本」という寺院群も存在します。

長久山本成寺（新潟県三条市）：越後国に位置し、法華宗陣門流の総本山です。日朗の弟子である日印が開山し、山吉氏が建立した青蓮華寺がその前身です。日朗が初祖となることを承諾し、「長久山本成寺」と名付けられました。

日朗の弟子

日朗の弟子は多く、特に著名な弟子たちは「九老僧（朗門の九鳳）」と呼ばれています。

日像
日輪
日善
日傳
日範
日印
日澄
日行
朗慶



日朗は、日蓮の教えを忠実に守り、その普及に尽力しました。また、多くの寺院を建立し、門下を育成することで、日蓮宗の発展に大きく貢献しました。その功績は、今日でも多くの人々に語り継がれています。

参考資料

『日蓮大聖人正伝』阿部日顕(監修)（初版）、日蓮正宗総本山大石寺、静岡県富士宮市上条2057、1981年10月13日。ASIN B000J7P05O。 NCID BA39623027。

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