本多修郎

本多修郎

本多修郎（1909年6月8日 - 1990年12月11日）は、日本の哲学者、科学史家であり、東北大学の名誉教授でした。彼の研究は、科学史と技術史に焦点を当てていました。

経歴

福島県耶麻郡長瀬村（現在の猪苗代町）出身。喜多方中学、二高理科を経て東北帝国大学哲学科を卒業後、東京帝国大学大学院で学びました。高橋里美、三宅剛一に師事しました。東北大学助教授を経て、1950年に教授に就任。1962年、「ヘーゲル弁証法と数学・自然科学」の研究で文学博士号を取得しました。1973年に東北大学を定年退官後、名誉教授となり、東北福祉大学の教授を務めました。

業績

本多修郎は、特にヘーゲル哲学と自然科学の関係に着目し、独自の視点から科学史の研究を行いました。彼の著作には、原始社会における技術と思想の関係を論じた『原始社会の技術と思想』、科学思想の歴史を概観した『自然科学思想史』、ヘーゲル弁証法と科学の関係を深く掘り下げた『ヘーゲル弁証法と科学』などがあります。また、『魔術から科学への道』では、魔術的な思考から科学的な思考への変遷を辿り、科学史におけるパラダイムシフトを考察しました。

著作リスト

『原始社会の技術と思想』関書院 1949
『自然科学思想史』創文社 1955
『図説現代哲学入門』理想社 1968
『図説科学概論』理想社 1968
『ヘーゲルと自然弁証法』未来社 1970
『世間哲学十章』理想社 1970
『ヘーゲル弁証法と科学』理想社 1971
『魔術から科学への道』未来社 1972
『技術の人間学』朝倉書店 1975
『科学思想史概説』朝倉書店 1975
『現代物理学者の生と哲学 マッハからアインシュタイン』未来社 1981
『近代数学の発酵とヘーゲル弁証法』現代数学社 1989
『魔術的人間像の系譜』以文社 1990
『新編自然科学概論』大内義一,永野為武共著 理想社 1962
『技術学概論』鈴木高明共著 朝倉書店 1974
『風流キノコ譚 菌・自然・哲学』今関六也共著 未来社 1984

翻訳

* ヘーゲル『自然哲学』 (ヘーゲル哲学体系初期草稿）未来社 1973-84

人物

本多修郎は、哲学、科学、技術という広範な領域にわたり、深い知識と洞察力を持っていました。彼の研究は、単なる歴史的事実の羅列ではなく、哲学的な考察を通じて、科学と技術の発展における人間精神の役割を明らかにしようとするものでした。彼の業績は、現代の科学史研究においても重要な意義を持っています。

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