本多忠刻

本多忠刻について

本多忠刻（ほんだ ただとき）は、江戸時代前期における重要な大名の一人で、播磨国の姫路新田藩の初代藩主です。彼は1596年に生まれ、戦国時代の名将・徳川家康の家臣である本多忠政の長男として育ちました。彼の母は松平信康の次女である妙高院（熊姫）です。

生い立ちと青年期

忠刻は幼い頃からその美貌と優雅さで知られ、成長するにつれて他者の目を引く存在となりました。彼の少年時代には、祖父の忠勝と共に伊勢桑名へ移り、その後も家族とともに過ごしました。

大坂夏の陣では忠刻は父・忠政と共に戦い、特に道明寺の戦いにおいては敵の首を獲る活躍を見せました。この戦いが彼の武将としての名声を高める一因となったでしょう。

千姫との婚姻

戦後の1616年、忠刻は将軍・徳川秀忠の長女、千姫との政略結婚を果たします。この婚姻は大坂の落城後、千姫が桑名の渡し船で忠刻に目を留めたというエピソードが残っています。家康が亡くなる際、千姫を優遇するために忠刻との婚姻を決めたとの伝説もあり、家族の繋がりが重視された時代の典型を示しています。

姫路藩主としての活動

元和3年には千姫の持参金として新たに10万石が与えられ、彼は姫路に移りました。忠刻は剣術を好み、著名な兵法者・宮本武蔵を招いて学び、自らの家臣にもその流儀を教えました。武蔵の養子・三木之助を側近に迎え、彼に大きな影響を与えたことが記録されています。

長女・勝姫と長男・幸千代をもうけましたが、幸千代は3歳の若さで病によりこの世を去ってしまいました。忠刻自身も結核に苦しみ、1626年に31歳で早逝してしまいました。

死後の影響

忠刻の死後、弟の政朝が跡を継ぎましたが、彼の死は家族や藩に多大な影響を与えたことは間違いありません。また、最後の将軍である徳川慶喜が彼の女系子孫であり、忠刻の血筋は後の時代にも引き継がれています。

官位と系譜

忠刻は慶長16年には従五位下・中務大輔に任ぜられるなど、その地位も確立されました。彼の父は本多忠政、母は妙高院であり、彼らの血筋を受け継いだ忠刻は江戸時代の波乱の時代を生き抜いた一人です。

参考文献

本記事に関連する詳細な情報は、郡義武著『桑名藩』において詳述されています。

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