本多政以

本多政以：加賀藩家老から実業界、政界の重鎮へ

本多政以（ほんだ まさざね、1864年11月20日-1921年7月16日）は、加賀藩家老を輩出した名家、本多家の第12代当主であり、男爵、貴族院議員として明治から大正期にかけて活躍した人物です。幼名資松。家紋は丸に抱き葵。

波瀾の始まり：幼少期と家督相続

本多政以は、加賀藩家老を務めた本多政均の長男として誕生しました。しかし、5歳の時、父政均が暗殺されるという悲劇に見舞われ、幼くして家督を相続することになります。この出来事が、彼の人生に大きな影を落としたことは想像に難くありません。

実業界での成功：事業家としての顔

幼少期の不幸を乗り越え、本多政以はその後、実業界で才能を開花させます。明治13年（1880年）、泊園書院に入塾し研鑽を積んだ後、明治24年（1891年）には葵製糸場を創業。その後、明治26年（1893年）にはこれを羽二重機業場に発展させ、経営手腕の確かさを証明しました。さらに、明治30年（1897年）には石川県農工銀行頭取に就任するなど、経済界において重要な役割を果たしました。これらの活動を通して、彼は経済発展に大きく貢献し、その名は広く知られるようになりました。

政界進出：貴族院議員としての活動

実業界での成功に加え、本多政以は政界にも進出します。明治33年（1900年）、従五位に叙せられ、男爵の称号を授かりました。そして明治37年（1904年）、貴族院男爵議員に就任。公正会に所属し、貴族院において活躍しました。貴族院議員としての在任期間は1920年（大正9年）12月14日まで続き、彼はこの間、日本の政治に影響を与える重要な役割を果たしました。その活動内容は、国会図書館などの資料を参考にすればより詳細に知ることができます。

家族と親族

本多政以の妻は荒木左次馬の娘でした。彼には本多政樹、長基連の二人の息子がいました。長男の本多政樹は、後に男爵となり貴族院議員を務めました。次男の長基連は、男爵長克連の養子となりました。また、長女の夫は茨木清次郎で、東京音楽学校校長、東京外国語学校校長、松本高等学校校長、東京女子高等師範学校校長、浦和高等学校校長を歴任した著名な教育者でした。彼の家族や親族もまた、それぞれ社会に貢献した人物だったことがわかります。

受賞歴

本多政以の功績は、栄典によって示されています。明治21年（1888年）7月20日には、銀製黄綬褒章を受章しました。これは、彼の経済界、政界における貢献が国家から高く評価された証左と言えるでしょう。

まとめ：時代を駆け抜けた生涯

本多政以は、5歳での家督相続という不幸な出来事を乗り越え、実業界、政界で大きな成功を収めました。彼の生涯は、激動の時代を生き抜いた一人の人物の物語であり、日本の近代化に貢献した重要な人物の一人としての物語でもあります。彼の功績は、これからも歴史に刻まれることでしょう。様々な資料を元に、彼の生涯をより深く理解することが大切です。参考文献として、国会図書館所蔵の人事興信録、『貴族院要覧（丙）』（1947年）、衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』（1990年）などを挙げることができます。これらの資料には、本多政以の生涯に関する貴重な情報が数多く含まれています。

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